試験問題「奈良時代の貴族と庶民の暮らしについて」HEADLINE
【観点】
【問題】 2018年実施
次の課題をよく読み、作文しなさい。
【作文課題】奈良時代の貴族と庶民の暮らしについて、①貴族と庶民の暮らしの違いを具体的に指摘したうえで、②貴族の暮らしが何によって支えられていたのかを説明しなさい。そして、③現代の私たちの暮らしと、奈良時代の人々の暮らしとの違いについて、あなたの考えることを説明する文を書きなさい。
【解答・採点基準】
10点満点。次の各論点につき、それぞれ2点を加点する。ただし、複数の論点の間に矛盾がある場合は、片方の記述は得点を与えない。なお、6以上の論点に触れる作文であっても上限を10点とする。
①-1 食事のメニューを取り上げて、貴族(山海の珍味)と庶民(玄米と野菜)の暮らしの違い違いを誤りなく説明している。
①-2 住居の作りを取り上げて、貴族(瓦ぶきの大邸宅)と庶民(竪穴住居)の暮らしの違いを誤りなく説明している。
①-3 生産労働について取り上げ、貴族(支配)と庶民(労役)の関わり方が違ったことなどを説明している。
②-1 庶民が働いて造られた駅路を通して全国から特産物などが都の朝廷に届けられ、それが貴族の給料になっていたことなど、貴族の暮らしは庶民の働きの上に成り立っていたことを説明していること。
②-2 律令で身分制度が決められ、土地と人々を支配する貴族や役人と、実際に物を生産するために働く者とが区別さたことによって貴族の暮らしは支えられたことを説明している。
②-3 奈良時代の税は社会全体のためではなく、貴族の暮らしを支えるためのものであったことを説明している。
③ ①と②でふれた内容をふまえながら、現代の私たちの暮らしとの違いを説明して自分の考えを説明していること。たとえば、㋐貴族の食べ物は干物や塩漬けの物が多く新鮮な食品がなかったが、現代の私たちは新鮮な物が食べることができるのは、冷蔵・冷凍保存装置や高速道路の整備、冷凍車などの技術進化と社会システムの発展による。㋑奈良時代に比べて、現代ではエアコンなど住居設備や、トイレットペーパーがあり快適に暮らせる。それは社会全体の分業システムや、生産力の高さ、技術の進化に支えられている。㋒現代の税は社会全体のために使われていることと国民の代表が集め方と使い方を決めている。㋓奈良時代の子どもたちは仕事をしていたが、現代の子どもたちは学校で勉強だけをしている。これは社会全体の生産力が高くなり、子どもに労働させる必要がなくなったからである。
【子どもたちの答案・作文 授業で使用した教材など】
○ 子どもたちの答案「作文」の代表作品
○教材 社会科通信・なんでやねん 「通貨(お金)の始まりと通貨の価値(お金の値打ち)」、「律令国家と古代道路・駅路
の建設」、「食事の違いから律令時代を読み取ろう」、「たった3%の租が、なぜ重い税だったのだろうか?」、
「律令の重い税と過酷な使役にあえぐ民衆」など。
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