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試験問題「石器と縄文文化」HEADLINE

【観点】
  • 社会的思考・判断

【問題】
2018年実施
 次の地図は石器が発見された遺跡を示します。会話文を読んで、次の各問に答えなさい。
 
サクラさん:遺跡から縄の文様がつけられた土器が出てくるって勉強したよ。
タロウ君:( A )のことだね。( A )が作られていた時代はとても長いんだ。
モモ子さん:( B )年も続いたって聞いたわ。その頃も刃物は石器だったみたいね。
ジロウ君:そうだよ。近畿地方の( A )の時代の遺跡から、たくさんサヌカイト製の石器が見つかっているよ。それが地図の①の二上山のサヌカイトなんだ。
サクラさん:福井県の②の鳥浜貝塚からも、二上山のサヌカイトが出ているよ。直線距離でも120㎞以上離れてるのに、石がどうやって移動したんだろう。
タロウ君:石器にする原石は、平均的なもので1個が2㎏くらいの重さだよ。簡単に運べるようには思えないな。
モモ子さん:私は、( ③ )と思う。
ジロウ君:どうやら地域間の交流があったようだね。
サクラさん:この時代には、図1のような( C )が使われたようだ。石皿と磨石のセットだけど。何に使う道具だったんだろう。
タロウ君
:外国の遺跡の道具と同じ形をしている。小麦を粉にするときに使ったんだ。
モモ子さん:小麦はまだ日本にはなかったわ。きっと( D )などの木の実を粉にしたのよ。
ジロウ君:( D )かぁ。でも、秋にしか実らないよ。他の季節は何を食べたんだろう。
サクラさん:私は、( ④ )と思う。
タロウ君:すると、移動生活ではなく、定住生活をしていたと考えてもいいのかなぁー。
モモ子さん:でも、定住生活をしたと考えるだけの証拠はあるんだろうか。
ジロウ君:ぼくは、遺跡から発掘された物が定住の証拠になると思う。たとえば、( ⑤ )
サクラさん:野生動物が小型化したり、木の実を食べるようになったことで何が変わったのかしら?
タロウ君:ぼくは、( ⑥ )と思う。


(1) 会話文中の( A )、( B )、( C )、( D )にあてはまる適語を答えなさい。

(2) モモ子さんの会話文の( ③ )に入れる文として、誤りがあるなど最も考えにくいのはどれですか。記号で答えなさい。
 ア 獣を追いかけて移動していた人たちが、奈良県の二上山で原石を打ち欠いて打製石器にしてから運んだ。
 イ 二上山の近くのむらから、次のむらへ、そして、また次のむらにへとバケツリレーみたいに広がった。
 ウ 先祖から教えてもらった道をたどって、奈良県の二上山まで取りに行った。
エ 二上山でサヌカイトを拾い集めて、それを売り歩く人がいた。その人が鳥浜貝塚の所まで行ったんだ。
オ 物々交換。サヌカイトの原石を持っている人と、自分の持っている食べ物などを交換して手に入れた。

(3) サクラさんの会話文の( ④ )に入れる文として、誤りがあるなど最も考えにくいのはどれですか。記号で答えなさい。
 ア 木の実は、秋に拾い集めて土の中に埋めて貯蔵したのよ。住居の近くで収集できるのはいいけど、穴を掘るのが大変。
 イ 木の実は乾燥させてから、たたいて粒にして、川の水で30日ほどさらすとシブが抜ける。それを保存したんだわ。
 ウ 図2を見ると、冬は住居の近くの山で狩りをして、うさぎ、しか、イノシシなど食べることが多かったのかなぁー。
 エ 図2を見ると、春は山菜を食べていたようだけど、あまり食べ物がないから蓄えた木の実を食べたのかなぁー。
 オ 図2を見ると、夏には、まぐろやクジラを食べていたことがわかるわ。海に丸木舟で漁に出たみたい。

(4) ジロウ君の会話文の( ⑤ )に入れる文として、誤りがあるなど最も考えにくいのはどれですか。記号で答えなさい。
 ア 一つの所から多くの打製石器が発見されることがある。一つの所に住んだ証拠だよ。
 イ とても大きな貝塚が発見されることが多い。一つの所に住んだ証拠だよ。
 ウ たて穴住居の跡が同じ所からたくさん発見されている。むらが作られるようになった証拠だよ。
 エ 土器は一つ一つが大きくて、重いし、割れやすい。そんな物をたくさん持って移動なんかできないよ。
 オ 石皿などは1個で2㎏~4㎏もあるんだ。そんな重い物をたくさん持って移動なんかできないよ。

(5) タロウ君の会話文の( ⑥ )に入れる文として、誤りがあるなど最も考えにくいのはどれですか。記号で答えなさい。
 ア 住居の近くの山野で食べ物を探したり、狩りをすることは男性の仕事で、女性は食べ物を料理するだけになった。
 イ 土器を作ることは主に女性の仕事になった。危険性もあまりなく、強い腕力も必要ないから。
 ウ 木の実で、生きるために必要な熱量(㎉)が確保できるようになると、男性は狩り以外の仕事ができるようになった。
 エ 木の実を採集することは、女性や子どもでもできたので、食料を手に入れるのは男性だけの仕事ではなくなった。
 オ 落とし穴にイノシシなどを追い込むことなら、女性や子どもでもできたので、女性や子どもも狩りに参加した。




【解答・採点基準】
(1) A 縄文土器    B 1万(10000)     C 磨製石器
D ドングリ(栗)
(2) エ    (3) オ    (4) ア    (5) ア




【授業で使用した教材など】

○教材 「石器は世界共通の文化だった」、「石器時代と古代文明の分岐点に金属器あり」、「10,000年も続いた縄文時
   」、「弓矢の登場が狩猟方法を変化させた」、「人が生きるために必要なエネルギーはどれ位?」、「縄文時代
   の人々の寿命を考える」、「縄文時代草創期の暮らし」など




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