試験問題「満州事変から日本の敗戦まで」HEADLINE
【観点】
【問題】
次の表は、満州事変から終戦までの、日本の歩みを示したものである。表を説明する次の文をよく読んで、各問に答えなさい。
1931年(昭和6年)、奉天郊外の柳条湖で、日本の関東軍が鉄道の線路を爆破した。この爆破事件を口実に、日本は戦争に入った。やがて、これ以後、A日本はながい戦争の日々を続けることになった。
関東軍は、やがて( ア )国をつくり、政府もこれを認め、恐慌に苦しむ農民を開拓団として移住させた。この事件を、中国はBある国際機関に訴えた。国際機関の総会で、孤立した日本は、これを脱退するという形で世界に背を向ける行動に出た。
このような動きがあるころ、国内では軍人や右翼団体の動きが活発になっていた。C1936年2月26日の大臣などが殺傷された事件をきっかけに、軍部は発言力をいちだんと強め、軍国主義が日本の国を支配するに至った。
そのような中で、戦争に反対する国民の動きもあった。D政府は、共産主義者だけでなく、多くの平和主義者や自由主義者までも弾圧するに至った。1933年には、共産党員で作家の小林多喜二は、警察で拷問によって殺された。
1937年、日本軍は、北京郊外の蘆溝橋付近で、夜間演習をきっかけに中国軍と戦いをおこした。E日本軍は、その後、シャンハイ、ついで首都のナンキン(南京)を占領し、多くの中国民衆を虐殺した。こうして、( イ )戦争がはじまった。
日本のこの動きに対して、F国民政府と中国共産党は内戦をやめ、共同で日本軍と戦うようになった。そのため、日本軍の、あまい予測ははずれ、戦争は長期化することになった。
戦争が長期化すると、軍事物資だけでなく、あらゆる物資の不足が始まりだした。
また、G労働組合は解散させられ、H政党も解散し、民間では隣組がつくられた。I教育の面でも、中学校以上の学校では、戦争のための訓練が重視されるようになった。
やがて1940年、日本は、( ウ )に軍隊を送り、戦争を拡大し、J同時に他のファシズム国の2国と軍事同盟を結び、アメリカの動きをけんせいした。しかし、この日本の動きに対して、Kアメリカは、日本への輸出を禁止する政策に出た。
1941年、日本が日ソ中立条約を結び、軍人の東条英機が首相になると、日米の緊張が一気に高まった。1941年12月8日、海軍はハワイを攻撃し、同時にL陸軍も南方を攻撃した。こうして、( エ )戦争がはじまった。開戦後、日本は東南アジア・南太平洋一帯を占領したが、1942年のミッドウェー海戦でアメリカ軍に破れた。その後、しだいに日本軍は、退却・全滅をつづけ、主導権は連合国に移っていった。
戦局が悪くなると、大学生も軍隊に召集された。また、労働力不足をおぎなうために、M朝鮮や中国から多くの人々が日本に連れてこられ、工場・鉱山・土木工事などできびしい条件の下で働かされた。やがて、N植民地にも徴兵令が出された。
連合国軍の猛反攻が始まると、アメリカ軍の戦闘機や爆撃機によって、日本の都市が( オ )されるようになった。被害をさけるために、学童は( オ
)のない農村部に逃げるために移動することを命じられた。
そして、1945年3月末、( カ )にアメリカ軍が上陸した。( カ )の戦いでは、O住民が住民どうしで殺し合うことや、日本の兵隊が島の住民を犠牲にするなどの悲劇が起こった。
日本の敗戦がほぼ確実になったころにも、日本では政府も軍も「本土決戦」をさけんでいた。Pアメリカは、戦後のことで優位に立つためもあって、( キ )と長崎に( ク )を投下した。そして、Qついに日本は、8月14日、連合国に対して無条件降伏をした。
(1) ( ア )~( ク )に、あてはまる語句を答えなさい。
(2) 下線部Aの日本のながい戦争を何とよんでいるか。
(3) 下線部Bの国際機関とは何か。
(4) 下線部Cの事件の前に、犬飼首相が暗殺された事件を何というか。
(5) 下線部Dは、ある法律によって行われた。その法律名を答えなさい。
(6) 下線部Dの法律が実施されたことは、日本の社会にどのような結果をもたらしたのか?かんたんに説明しなさい。
(7) 下線部Eのように、日本の軍隊は、アジアの数多くの地域で民間人を大量虐殺した。そのようなことが、なぜ行われたのか。日本軍のそのような行動の背景にあったと考えられる事実をかんたんに説明しなさい。
(8) 下線部Fの国民政府と中国共産党とが、共同で日本軍と戦うようになったことを何というか。
(9) 下線部Fのときの、中国共産党の指導者はだれか。人物名を答えなさい。
(10) 下線部Gの結果、労働組合は何という組織に再編されたか。
(11) 下線部Hの結果、すべての政党は、国民を精神的に統合するために、政府の方針に協力する組織に再編された。その組織を何というか。
(12) 下線部Iの学校で行われた、戦争のための訓練を何というか。
(13) 下線部Jの、日本の同盟相手国となった2つのファシズムの国名を答えなさい。
(14) 下線部Jの3国を、連合国に対して、何といったか。
(15) 下線部Kで、アメリカがイギリス・中国・オランダと共に、日本を経済封鎖に追い込んだ戦略を何というか。
(16) 下線部Kまで、日本は、アメリカから鉄と何を輸入していたか。日本の主な輸入品目の名前を答えなさい。
(17) 下線部Lのとき、陸軍が攻撃した南方とは、どこのことか。
(18) 下線部Mの、中国や朝鮮から多くの人を連れてきたことを何というか。
(19) 下線部Nのときに、徴兵令が出された日本の植民地を2つあげなさい。
(20) 下線部Oのことを何というか。
(21) 下線部Pのとき、アメリカは戦後、どこの国よりも優位に立とうとしたのか。その国名を答えなさい。
(22) 下線部Qのとき、日本が受諾した、連合国側が日本に、日本の降伏条件を示したものを何というか。
【解答・採点基準】
(1)ア 満州 イ 日中 ウ インドシナ半島 エ 太平洋 オ 空襲 カ 沖縄 キ 広島 ク 原子爆弾
(2) 15年戦争 (3) 国際連盟 (4) 五・一五事件 (5) 治安維持法
(6) 国民の集会・言論・思想の自由が奪われ、国民が自由にものを考えることができなくなった(真実を伝えることもできなくなった)。
(7) 農村から若い労働力を兵力として送り出したために、農業生産がとまり食料不足が生じ、食料を持たない軍隊となった。
(8) 国共合作 (9) 毛沢東 (10) 産業報国会 (11) 大政翼賛会
(12) 軍事教練 (13) ドイツ と イタリア (14) 枢軸国
(15) ABCD包囲網 (16) 石油 (17) マレー半島 (18) 強制連行
(19) 朝鮮 と 台湾 (20) 集団自決 (21) ソ連 (22) ポツダム宣言
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