当然私達の横でその子供も掘り始めた。ザクザク、ザクザク無言で掘り進める。

あ…三株…、四株…、あっ五株…。
あぁ〜、六株なんて簡単に越しちゃったよ…。
なんだかやる気、さらに激減。

もう最後の方は早く終らせたい気持ちでいっぱいだったので少しホッとしながら「やっと最後だ…」と六株目を掘っていたら、最後の最後でおばあちゃんに不意打ちをくらってしまった。

「その株は向こうのやつやなぁ。」

「へっ?」と私達。
「ほら、棒の向こう側のやつやから…」

お、おばあちゃん…、いくらなんでもそりゃないよ…。これは六株目だっての。
根っこが棒より向こう側に伸びちゃってるから、掘っていくうちに棒より向こう側を掘ることになってるだけやん〜!

ただでさえ弱っていた私達、ここまでくると「もうどうでもいいや」って気持ちと、「それはいくらなんでも理不尽だ」という気持ちとが混ざりあい、もう言葉もなかった。
その私達の雰囲気を察してか、それからおばあちゃんは自分の言い分が正しいことを私達に認めさせる為に必死に話し始める。
「ほら、棒がここやもんねぇ。」と棒を抜いたりさしたりしてみたり、抜き終ってバラバラになった茎や葉を指差しながら「1、2、3…」と曖昧に最初の方だけ数えてみたりしていたが、そのうち急に下手に出て
「いや、いいよ。それやったらこれも掘ってもいいけどね。うん、いいよいいよ。」と、→続きを読む