二人で車に乗っている時、何気なくカシオに聞いてみた。
「カシオ、ママのこと好き？」
すると、すぐさま
「すきー！」
との返事。
いつもならここで終るところなのだが、この時は初めてもう一歩踏み込んで聞いてみた。
「ママのどこが好き？」（えぇ、えぇ、そうです。寒い親子ですよ。私達は。）
するとカシオは
「ごはん いっぱいたべるからー。」
と、とんちんかんな答え。
そう、カシオは少し前まで「どこが」とか「なぜ」とかいう質問に滅法弱かった。
まだいまひとつこの質問の意味がわかっていなかったのだ。

そこで私は質問の仕方を変えて2、3回聞き直してみた。
「ママの好きっていうところはどんなところ？」
「ママのどういうところが好きだなって思う？」
すると何度目かの質問の後に、びっくりするくらい簡潔に一言

「ほっぺた」

との答えが返ってきた。
私は、その意外な一言に心底しびれてしまったのだ。
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