いつものクレープ屋さんでクレープができるのを待っていた。
隣には私達と同じようにクレープを待つおばちゃんが2人いたのだが、おばちゃん達は朝見たと思われるワイドショーの話を大声でしゃべり続けている。しかしそのうち話題もなくなってきたのか会話も途切れがちになった頃、どちらともなくカシオの方を向き、こう聞いてきた。
「僕、お名前何ていうの?」
すると、カシオは何のためらいもなく、
「ヒロシです…。」
と言うではないかーーーっ!
ヒ、ヒロシって、あなた…。
しかも、そのテンションの低さはもしかして…と思っている間にも、
「そう、ヒロシ君っていうの。」
と言うおばちゃんの声が私の耳に入ってきた。
あ、会話が成立しちゃってるし…。
「なんて名前?」と聞いて、「ヒロシです。」と答えれば、それは間違いなくヒロシ君なのだからしょうがない。
こうしてカシオはヒロシ君になりすましたままクレープを食べ終え、その場を後にした。
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