私達が立って待っているのは、ある民家の前。
「おばあちゃんが来ますから」と言われたまま、かなりの時間待ち続けている。
後ろでは楽しそうに10人くらいの家族が庭でバーベキューをしていて、まさに私達はお邪魔虫といったところだ。

「イモ掘りに行こうか。」朝起きてすぐ、クマがそう言った。
「いいねぇ。」と私。
それからすぐに近場でできる所を探し、来てみたのがここ。
「○○イモ掘り」と大きな看板がかかげられているわけでもなく、わいわいと家族連れでにぎわっているわけでもない。来てみてびっくり、そこは普通の民家で、お客さんは私達以外は誰もおらず、家の人はというと、その日はどうやらバーベキューをする日だったらしい。つまり私達は面倒極まりない客だったわけだ。
しかししょうがない、行ってみるまではどんな所かもわからないし、まして調べた時には「○月○日はバーベキューの日です。できる限りご遠慮ください。」とは書かれていなかったからだ。
なんだか申し訳ないなとは思ったが引き返すこともできず、そのバーベキューをしている人達に声をかけてみると、「あぁ、ちょっと待ってね。おばあちゃんを呼んでくるから」と言われて待っているのがここ、民家の前というわけだ。

数分たってようやくおばあちゃんが登場した。
「そしたら、行きましょか。」
おばあちゃんの一言で私達も歩き出した。
90才に手が届きそうなくらいに見えたおばあちゃんだったが、元気に先頭きって歩き、私達もその後をついて行く。そしてゆるいカーブを曲がった時、少し先に広大なイモ畑が見えた。
すごい!こういうの久しぶりだ!やっぱりおもしろそう!
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