「できたー!!」

満面の笑みで嬉しそうに私に持ってきたその戦艦ヤマトは、はっきり言ってひどい出来だった。
色の塗り方も汚くてはみ出してるし、塗れていないところすらある。とにかくいいかげんなのだ。
また船体の上部がカッチリと下部にはまっていないため右側だけが少し浮いている。
それはクマも気付いていたようで、出来上がってからも何度かこっそりはめようと頑張っているところを目撃してしまったのだが、結局はまらないのでそのままにしてあった。

クマよ…。悲しいぞ?
このヤマトはなんだか悲しすぎるぞ…?

こんな出来で納得するなんて、男のロマンが聞いて呆れるとは思ったが、本人は至って満足してる様子だったし、「ちょっとゆがんでるけど、出来上がって良かったね。」と言っていると、クマはものすごく自慢げにニコニコしつつ、そのブツをTVの上に置いたのだった。

ちょっ、ちょっ、ちょっとーーー?!もしかしてそこに飾るつもり?

思わず口にすると、「なんで?」という返事。
だって…、それはちょっと…。とまでは言ったが、せっかく頑張ったのだし、まぁいいかと私も思い直し、その不出来なヤマトはそのままTVの上で飾られることになった。

そして次の日、クマは私を見るなり
「お前の言うとおりやったわ。もうプラモデルは二度とやらん。」と言った。
「やろ?」と私。→続きを読む