そして生家。
私の頭の中にあった家の原形はすでになく、きれいに建て直された家は1階がガレージになっていて、全くもって“今風”という感じ。両隣りとはそぐわない新しさにひどくガッカリさせられた。
この家を見てしまうと、私の中の生家の映像がどんどん薄れていくようで、あまりじっくりと見ることはできなかった。
全く新しく変わってしまったところもあるし、そのまま存在しているところもある。でも変わっていても変わっていなくてもそれはたいしたことではない。私はここで生まれ育ち、いろんな経験をしていろんな思い出を作ってきた。
この土地の存在自体が懐かしい、そして眩しい。
いつの日かカシオもこんな風に今を懐かしく思い出すことがあるのだろうか。
今現在の記憶を、もしカシオが将来思い出せるとしたらどんなものになるだろう?
私は少し考えてみる。
まずは行きつけの(?)クレープ屋さんだ。
「コーンツナピザチーズ」を注文したのに、「子供は食べにくいやろ?」と一言言った後、勝手に「ハムツナピザチーズ」にメニューを変更してくれたり、卵アレルギーのカシオに、おまけで卵をトッピングしてくれたりと少し笑っちゃうけど、優しい優しいクレープ屋のおばちゃん。
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