最近クマは忙しい。毎日仕事に追われていて、ほとんど私達が起きている時間には帰ってこない。当然そのまま帰って来られない日も多く、毎朝の日課のようになっていることは、朝ベッドを見て「あ、帰ってきてたんだ。」と確認することである。

その忙しさの余波はカシオにまで達し、今までクマが帰ってくるなり、君達は3年ぶりの再会か!というくらいの勢いで「パパー!」「カシオー!」と抱き合ってた2人のうちの1人、カシオが突然クマと距離をおくようになった。
おかえりも言わない、近寄っても来ない、クマが私の横に座った日には「こっちに座って!」と言いたげに、わざわざ遠くのイスをバシバシたたいてみたりと、最初はありゃりゃとあきれていた私も、さすがに「なにを!かわいげのない!」とおもわず注意してしまうくらいの様子だ。
もちろん、ちょっと距離をおくのは最初だけなのだが、それでも以前は顔を合わした瞬間から大好き光線をビシバシ受けていたクマにとって、これはちょっと悲しい出来事だった。

しかしある日、クマはいい具合にコミュニケーションがとれるツールをめざとく見つけた。それは「カシオに…」と数日前にもらっていた人形だったのだが、UFOキャッチャーで取ってきたというその人形は、明らかにパペットマペットを意識して作られたカエルとウシのキャラクターで、もちろん手にはめて口や手を動かせるようになっていた。→続きを読む