その瞬間……。
ぬぉっ!!ちょっとなんだそれ!!
今までにない私の反応にお姉さんはちょっと早口になる。
「これは通常3000円する絵本なのですが、今回はこれも1000円で結構です。」
(どうでもいい話だが3000円と1000円が好きな人である。)
そう言いながらケースから中身を取り出し観音開きになっている絵本を開く…。

か、かわいい…。何?このワクワク感は…。

そうなのである。私は絵本が大好きだったのだ。
この絵本は外国製で、開くとゼンマイ仕掛けの汽車が通 れるようにレールのような溝があり、所々建物がニョキッとでていて、絵本というよりオモチャに近い感じだった。
お姉さんの手によって開かれたままの絵本は営業で使われすぎて、飛び出す絵本のはずが、ちょっとしか飛び出さない絵本になってしまっていたが、それでも私には十分好印象だった。思わず触れてみたくなりワナワナと手を伸ばし気味だったろう私に、お姉さんは本にあるボタンをキュッと押し、とどめをさす!
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