子供と一緒にいると、すっかり忘れていた事に沢山気付かせてもらえる。
懐かしさにもいっぱい出会える。
「あぁ…、そうだ私もこんなことしていたな。」と自然に昔を思い出せる私がいる。
少し前の話になるが、クマととカシオとで公園に遊びに行った時、一面シロツメクサでいっぱいの広場があった。
あまりにもきれいだったので、私はすぐに手をその花へと伸ばし、何をするでもなく数本ちぎって束ねてみた。
3本の花をキュッとまとめて簡単に結び、なんとなく指にはめてみたのだが、思い付きで作ったわりにはかわいくできた指輪にとても満足。この広場でつけるアクセサリーとしてこれ以上のものはないような気がしていた。
なかなか上機嫌の私は、指にはめたままの指輪から伸びている余分な茎を爪で切ろうとしたのだが、これがなかなか切れない。じれったく面倒になってきてはいたが、そのままにするのもあまりにも不格好で、どうしようかと思案していたところ、ふと思い付いた。
そうだ、歯で切ればいいんだ。
今度は歯で噛みちぎってみた。
するとクシャッとしたなんとも言えない茎の感触、歯ざわり、そして青臭い味とにおいが私の口の中、そして鼻へとぱぁっと広がった。
あ…、懐かしいこの感じ…。そうだ、私、小さい頃もこうやって草を歯でちぎったことがある…。
私は改めて、頭だけで思い出せる記憶なんてほんの一握りにしかすぎないのかもしれないと気付く。
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