何の根拠もないが、密かにアピールするためには正面
でなく、ななめに位置する方が良いような気がしている。
そして、とにかく余裕たっぷりにゆっくりとした動作でバッグから物を取り出す。そしてゆっくりと用事をすませ、再びゆっくりしまうというやり方だ。とにかく「ゆっくり」である。
これがなかなかタイミング的にも難しい。
何もなければ一度で済むのだが、ちょうどバッグにしまった瞬間くらいに誰かと目が合ったとなると
話はややこしい。
くぅ〜!何で今なのよ…。
もう少し前に見てくれていたら、バッグにしまった物が私物だってわかってもらえたのにー!
と、訳もなく悔しがり、今度は用事もないのに「あ、そうそう!」と手をポンを叩かんばかりに、再び財布やメモを取り出したりするのだ。
うそ〜ん…。また最初からやるつもり?
おもわず自分でもつっこんでしまう。
もちろんそうやって私が一生懸命小芝居をうってみても、その人だって私の行動を最後までじっと見ているほど暇なわけもなく、結局は空しい一人芝居、夢芝居で終るのだ。
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