もうここまできたら、「わざわざ電話かけてくれたのに期待にそえなくてごめん」という感情までわいてきそうだ。心なしか電話を切る音も寂しそうに聞こえる。

それ以来、彼から二度と電話はかかってこなくなった。
本当につまらないことだが、これはどう理解すればいいのかと私はたまーに考えたりもしていたものだ。
彼は本当にブルマーが欲しかったのか。
それともブルマーというアイテムを介してちょっと私とコミュニケーションをはかりたかっただけなのだろうか。
いずれにしても、長年つちかってきた(?) 私と彼のつながりは、私の最後の一言によって断ち切れてしまったらしい。
いたずら電話がかかってこなくなって嬉しい反面、なぜか少しだけ、ほんとに少しだけ「決定的な言葉を言ってごめんね」って気持ちがわいてきたりもする。

………。
いやいや、おかしい…。おかしいよー!
なんでこれが「ごめんね」なんだ。これが世に言うストックホルム症候群とかいうやつか?

そんなこんなで長年色々あったが、現在では平穏な日々を送っている。
念のため言っておくと、これを読んだからといっていたずら電話をかけてきても無駄である。
なぜなら、当時私が犯人と多少なりともコミュニケーションがとれたのは、「若さゆえのやさしさと臆病さ」をおおいに持ちあわしていたからである。

いやん、今でも若いっての。