子供と自分との間で悪戦苦闘して、お互いが自分を通そうと必死にもがいてみても、結局相手は小さい子供、
どうあがいても思い通りにはならない時がある。
まさに「今日は負けた…。」という時だ。
「これ以上は無理だな。」というところまでギリギリ頑張ったが無理だった時、今度は憑き物がとれたかのように、ふわっと私は優しい気持ちに包まれる。
ここまで自分が必要とされているのなら仕方がない。
「そっか、じゃあ、今日は諦めた。カシオの傍にずっといるよ。」
と素直に思える。そして何もかも終らせて一緒に眠ることができる。
不思議なもので、そんな時には悔しさも腹立たしさもなく、ただただ優しい気持ちだけが存在する。
言うなれば気持ちのいい敗北感だ。
この時ばかりは、100%優しさいっぱいの私かもしれない。

最後にちいくまくんを外に連れ出したおおくまさんも、もしかしたらこの気持ちのいい敗北感を味わっていたのではないかと思うのだ。
そしてちいくまくんと、とことんつきあおうと思っていたのではないかと…。

とはいうものの結局のところ、おおくまさんは最後まで
本を読み切った。
やっぱりおおくまさんってすごい。