ニュースを見た時のショックは相当なものでした。なぜなら「この先生につまらない質問はできない」といつも思っていたほど、私の中でその先生は厳しくて堅物なイメージがありましたから。
このニュースを見た後、ふと思い出したのがこの本のことでした。
私の記憶では小説の話などしたことのなかった先生が、突然私達にこの本を紹介したことを思い出したのです。
ニュースでは確か長きにわたってストーカー行為を行っていたと報道していました。もしかするとこの本を紹介した当時も先生はストーカー行為を行っていたのかもしれないし、それ自体は行っていなくても何らかの似たような感情を持っていたのかもしれません。そしてそういう背景があったからこそ、私達にこの本の話を持ち出したのかもしれません。
こちらの世界ではいくら愛していても「ストーカー」という行為は許されていません。しかし河童の世界ではどうだったのでしょう?
「なぜそれがいけない?相変わらず人間はおかしなことを言う。

ごくごく当たり前の愛情表現じゃないか。」
とゲラゲラ笑い転げていたのかもしれません。
先生はそんな河童の世界に憧れていたのでしょうか?それとも、自分の思いや行動を正当化できる何かにすがりたかったのでしょうか?
当時は何気なく読んだ本ではありましたが、今回は数年前にこういう事件が起こっていたということもあり、以前より複雑な思いで読み終えました。