今回は旅行にまつわる本のお話。

私は旅行に行く時にはだいたいいつも本を持って行く。「ビーチで読む」なんて優雅なことはできなくとも、クマもカシオも寝静まった夜、パソコンやミシン等々、他に何も私を誘惑するもののない環境の中でのんびり本を読むのが楽しみでしょうがないのである。
そして今回も出発の2〜3日前から考えていた、「旅行にはどの本を持って行こうか…」と。
本棚の前であれこれ悩みながらも最終的に決定した本は、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』だった。
情けないことに「おもしろかった」という感想の他は何一つ覚えていなかった約十年ぶりくらいの『ねじまき鳥…』だったが、持って行くと決めた途端、これ以上ないというくらいに自分の気持ちにピッタリときていた。

しかし、どうやら決めるのが早すぎたようだ。
「忘れないように。」とまっ先に準備しておいたこの本がどうにもこうにも気になるのである。
「読んで、読んで。」と囁いてくる。
「おもしろいよ!」と誘惑してくる。
て、結局我慢できなくなり、家で読み始めてしまったのであった。なんだそれ。

さて、いよいよ当日。
ハッと気付いた時にはすでに空港だった。→続きを読む