Brambly Hedge
―茨の境界―
〈４〉
その夜の月は、パッカリとその姿の半分を隠して天上に浮かんだ。
天井の一部が開いた部屋の窓から大きいとも言えない月を見上げ、カイトは至極愉し
そうに微笑んだ。
人が見惚れるほどキラキラとその目は輝いていて、その姿はまさに草原をその身一つ
だけで疾る獣の様だ。
冷たい月光を受け、美しく鮮やかなまでに明りを灯し始める街を眺めていた目を離し、
宣言する。
「さぁて･･･行こうか」
ニヤリ、と笑って、彼は妖しい影が蠢く眼下の街を一瞥し、身を翻した。
彼の姫君に会うために。捜し求める物かもしれない獲物を手に入れる為に。
薄暗い部屋。そこには階下の騒がしさは届かず、その静かで質素な空間には椅子に腰
掛けて読書にいそしんでいる美女と、眠り姫よろしく無防備にベッドで寝こけている美
貌の青年が一人。ただし、こちらは服を身に付けていなかったが。
パラ･･･パラ･･･と規則正しく頁を捲る音だけが響くその部屋には雑音は全くとってい
いほど無く、青年の眠りを引き起こすものはない。
しかし、ベッドに寝転がっていた人が、何かに反応したようにぼんやりと目を醒まし
た。それに気づいた美女がベッドに近づくと、そこには先程までは薄い瞼に遮られて見
えなかった蒼い目があった。
「気分はどう？」
「どうって事ねえよ。慣れたしな」
彼･･･シンイチは、「客」を送り出してから、食事も取らずに「眠い」とたった一言言う
だけ言って朝から日が傾く今まで眠ってしまったのだ。
彼の体調を心配するシホは起き上がろうとする彼を押し戻そうとするが、逆にその手
を取ってシンイチは反動を付けて起き上がり、気休めにしかなっていない薄い布をその
身に引っかける程度の格好ですたすたと部屋を出て行こうとする。
「待ちなさい、シンイチ！せめて何か着ていったらどう？」
「わり、ちょっと時間ない。なんか下であったみたいなんだ」
そう言いながらもシンイチはシホが差し出した丈長のガウンを白い布の上から引っかけ
て、彼の自室から出ていった。シホも慌ててその後に続く。
彼の部屋は屋上に続く階段の在るナイト・リリーの別棟の最上階だ。
ナイト・リリーの最上階にも彼の自室が在り、彼がそこで眠る事は滅多に無い。それ
こそ、客を取った日のみだ。簡単に言うならば、ナイト・リリーが接客用、別棟はプラ
イベート用と言った所だろうか。
それはともかく、仮にもここは最上階。一階の喧燥など聞えないにも等しいというの
に、「何か下であった」ということを感知してしまう彼の感覚は一体どうなっているの
かとシホは半分感心し半分呆れた。
そして、同時に頭を抱える。
（お願いだから、自分の魅力に気づいて欲しいわ･･･）
冗談じゃなくそう思う。今だって、本当は無理矢理にでも自室に押し込めて服を着せ直
したい衝動に駆られているのだ。
小さな顔に真っ白な肌。老若男女を問わず、人を一瞬で虜にする蒼い目。神が撫でた
ようなすっきりと整った鼻梁に目を引き寄せる紅い唇。綺麗なラインを描く輪郭を、艶
やかな漆黒の髪が縁取っている。
思わず指を絡めたくなるほどに細く華奢な首に、細い肩。肢体は完璧なプロポーショ
ンで、腰なんてそこら辺の女よりもずっと細い。
服を着ていても通りすがりの男に襲われかねない色香を放っているのに、今のシンイ
チの格好はキケンすぎるのだ。
ただでさえ、昨日客を取った所為で彼の体は情事の跡が色濃く残っていて妖しい雰囲
気を醸し出しているというのに、その白皙の肢体を隠すものといえば薄くて白い、膝を
ギリギリ隠すくらいの丈の開襟のシャツと、シホが手渡した丈長の青いガウンのみ。
隠すものが少なくなった所為で、普段から妖しい彼の色香は5割･･･否、7割増しにな
っている。･･･はっきり言って、無防備すぎるのだ。
はぁ〜〜っと盛大な溜め息を吐いて、シホはふっと後ろから迫ってきた見知った気配
に一瞬視線を落し、すぐにさっさと歩いて行くシンイチの後を追った。後方からやって
来たのは、ショー用に衣装を変えたコナンだ。
「なに急いでんだ？シンイチは」
「さぁ？なんだか下で何かあったみたいよ」
ひょいっとシホは大人二人の早歩きに小走りでついてくる少年に素っ気無く答えた。
「･･･ふ〜〜ん？･･･あん時のあいつの事なんだけど」
賭けないか？と唐突に切り出すコナンに、「何を？」と聞き返すと、彼はニヤリと楽し
そうに企みの笑みで笑って言った。
「･･･あいつがシンイチに惚れるか惚れないか」
「･･･賭けにならないわよ」
「そうか？因みに俺は「惚れる」だけど？」
お前は？と聞き返してくる彼に、「同じく」と即答してやると、コナンは「確かに賭け
になりゃしねぇ〜」と笑い、じゃあな、と手を振って店の方へと走っていった。
その後ろ姿を見送り、シホは今度はシンイチと肩を並べて歩き出した。と、その途端、
「･･･なぁ、アイツって誰だ？」
と好奇心でその蒼い瞳を輝かせた彼に聞かれる。ホールまで後少しだ。
「自分で推理したら？･･･大丈夫、すぐに分かるから」
ほんの少しの突き放すような物言いの後、シホはむっと拗ねた顔になったシンイチの頭
を軽く撫で、まるで弟を落ち着かせる姉のような仕草と口調で付け足した。それに対し、
シンイチはニヤリと楽しそうに笑って頷く。
「わかった･･･っ！？」
絶対見つけてやる、という意気込みで頷き、ホールに続く「clerk
only」の扉を開こう
とした途端、すぐ脇の控えの空間にシンイチは引き摺り込まれた。突然消えたシンイチ
に、慌ててシホも後を追う。
そこには、派手ではあるが下品にはならないタキシードを着込んだ紳士･･･「ナイト・
リリー」の館長が、いかにも何かを企んでいますといった様子で微笑んでいた。
一週間前にも見た、壮麗でかなり規格外の外観の建物の門を潜り、カイトは相変わら
ずどこかの箍が外れてしまったような熱と騒がしさに満ちた空間を、着かず離れず付い
てくるジイと共にホールへ向かった。
ホール内に入って、一週間前とは異なった異常な雰囲気におや、とカイトは首を傾げ
た。
妙〜に、熱が冷めているような気がするのは気のせいだろうか。夜のここには絶対有り
得ないような、静まり返った空気が、肌にピリピリと痛い。
「カイト、こっち」
考えつつも前進しようとした途端に小さく声を掛けられて、そちらをふと見ると初め
て会った時と同じ衣装を着たコナンがくいくいっと合図してきてカイトを誘導した。
すかさずついてくるジイを視界の端に収めながら、カイトはコナンの後を追って人の
輪から少し離れた柱の近くに行って、そこにあった長身の姿に思わず顔を顰めた。
まさかいると思っていなかった人物が、自分がいる柱の向こう側にたっていたのだから。
（う〜〜わ〜〜〜なんでこいつがいるんだよッッ！）
切れ掛かりながら、カイトは素早く見つからないように柱の反対側に立った。
自分の捜査を、伯爵という地位に就いているくせに警邏に首を突っ込んで取り行なっ
てる同い年の貴族、サグルという名のハクバ伯爵。
如何にも遊んでいなさそうな雰囲気を漂わせた、貴公子然とした立ち居振舞いと甘い
マスクを持つ、自分にとっては色んな意味で鬼門に位置する男がなんだってこんな娼館
にいるというのか。
･･･確かに、ここは会いたくもない「高官」達が有象無象とたむろっている場所でもあ
るのだが。この男はどうしたってこの場所には「規格外」だ。
しかし、物事をいつでも冷静に捉えるといわれているサグルですら、どこか呆然とし
た、それでいてかなり冷めた目でホールの中央を見ているとはどういうことなのか。
そう思って輪の方を見てみると――どうやらこの場所は他よりも少し高くなっている
穴場らしい――何故か全裸になって転がっている黒い物体が一つ、ホールのど真ん中で
それはもう見事にぶっ倒れていた。
（･････見覚えのある光景だなぁ･･････）
そりゃあもう、かなり最近の話なのだけど。背中側しか見えないが――うつ伏せなのは
幸なのか不幸なのかはわからないが、多分本人にとっては慰めの欠片にもならないのは
確かだ――それは確かに一週間ほど前に自室の天井を突き破って大穴を開けた張本人で
はないか。
（･･･アイツ、何やったんだろう･･･）
真っ先に浮かぶ疑問がこれ、というのは芸がないと言われようと、こんな時に浮かぶ
のは取り敢えず「アレ」が先に何かをやらかしたということを前提にしたものになるの
は仕方ないだろう。10人に８人くらいは同じことを考えるはずだ、多分。
説明を求めようとしてコナンを振り返るが、すぐ側にいた彼は自分を見上げてニヤリと
楽しそうに笑い、
「･･････気にしないでよ。シンイチに会いたいんでしょ？」
と返すだけだった。
･･････ちょっと、絶縁したくなったかも。
ここに生まれついてから17年目にして漸く友人になり、一応その普通な関係を保ち
続けてきて2，3年になるという相手の現状を見た瞬間、本気になって考えた。
なんだってあの黒人はあんなところで酒瓶を持ったまま素っ裸で転がっているんだろ
う。一応、自分の友人に位置するハズだから、このまま店の裏のごみ箱にでも突っ込ん
でやろうかという真剣極まりない提案は頭の片隅に寄せておくとして。
シンイチは、控え室から見えるホール内の現状に大きすぎる溜め息を付いた。それこ
そ地の底というか奈落の底にでも届きそうな。
「･･････客萎えさせてどうすんだよ、アイツは･･･」
額に軽く手を付く。このナイト・リリーに宿る夜の熱はある意味異常だ。しかし、その
熱は異常なだけに、冷める時は急速に冷め切ってしまう。そういう事にならないように
ショーは設定され、無い様に見える規則性が実は存在するのだ。
第一条件は、客の熱を煽りたてる事。夢から覚めさせない事。
「さて、シンイチ君」
頭いてーと文字通り頭を抱えたシンイチに、館長･･･ユウサクはニコヤカな笑顔で切り出
した。
「私としては、この状況を是非とも打破したいんだけどね」
「わーってるよ。まぁあの馬鹿は早々に撤去するとして･･･」
何か手はないかな･･･と実はショーの設定の方に少しばかり口を挟んだりもする――そ
れをするのは大抵コナンなのだが――シンイチはふむ、と顎に手を添えた。
「――それでね、シンイチ君」
ふと言われた声に、シンイチは嫌な予感に囚われながら嫌々ながらに顔を上げて訊ねた。
「何？」
「･･･君が歌うかい？」
悪戯っぽい目をしたユウサクが、仰いだ先で本当に面白そうに笑っていた。
「失神する客が出るぜ？」
これは本当の事だ。シンイチは、彼の母親に無理矢理受けさせられた声楽のレッスンで、
担当の教師を失神させた事があった。
ある意味トラウマともなっていたのだが、それを心の内に隠して、彼は夜に生きる者
の貌で艶やかに微笑んだ。
「いいや」
その彼にユウサクは、ニヤリと自信満々で笑い、
「陶酔するんだよ」
と自分自身もその状態になったような表情をして言い切った。ふとシホを見ると、彼女
も否定しない証拠のように苦笑しながら、それでも瞳を目一杯楽し気に揺らしてこちら
を見ていた。
「っ･･････知らないからな、どうなったって」
一瞬だけ躊躇し、シンイチはこの状況をこのままにしては置けない、と迷いを振り切る
ように青いガウンを翻してホールの中を突き進んだ
「･･･ほら、姫君のお出ましだ」
楽しくて仕方が無いといった様子で言い、一つの扉を見るコナンの愛しさを込められ
た視線の先から、その言葉が合図になったように「姫君」が「creak
only」の扉から出
て来た。
その姿を目に捉えて、カイトは思わず息を呑み、そして見惚れた。
一週間前と違って随分と短い―恐らくこちらが本物なのだろう―艶やかで真っ直ぐな
黒髪を揺らしながら中央へと向かっていく姿は優美だが、清涼な気配を漂わせていても
清楚というにはその姿は煽情的すぎたのだ。
前のドレスはあれはあれでチラリズムが何とも言えずに良かったのだが、今回は短い
白い布に青いガウンを羽織っただけ、という露出度の高い、綺麗な肌をモロ出しにした
格好だったのだ。
静かな足取りで闊歩する綺麗な脚だとか歩く度にちらちら見える白い大腿だとか細い
首筋から鎖骨にかけてのラインだとか･･･目の保養というより、目の毒だ。いつ押し倒さ
れてしまうかわかったモノではない。
ちょっとショックな事に、今までずっと「彼女」だと思っていた「姫君」は「彼」だ
ったのだが･･･もしかしてと思いたってカイトはコナンに聞いてみた。
「なあ、もしかして、あれが･･･」
「シンイチ」なのか？と続きを言わずに小声でコナンに聞くと、コナンはニヤリと笑っ
て
「気づくの遅いんじゃない？」
と答えてきた。その目は正しく悪戯を仕掛けた子供の目だ。しかし、しっかり嵌められ
た気もしないでもないカイトに怒る暇はなかった。
（･･･マジかよ･･･）
と思わず頭を抱えてしまう。男か女か、なんて大した問題じゃない。確かに生まれてこ
のかた女と寝た事はあっても男と寝た事はないが、ともかくそんなことは問題じゃない
のだ。
（･･･なんだって生まれて初めて本気で惚れた相手が、今から盗みしますっていう相手な
んだよ･･･）
大問題だ。
しかし、ぐるぐる考えているうちに彼女ならぬ彼は、ホールの中央まで来て打っ倒れ
ているヘイジに明らかに怒っている眼差しを冷やかに向け、ゆっくりと口を開いた。
There
is sound which strikes a basket.
I was
sleeping with a sufficient feeling.
It is
who to have awoke me who sleep――.
口元には魅惑的な微笑みを湛え、紅い唇から紡ぎ出されるのは高くも無く低くも無い、
中性的な至上の歌声だった。
凍てついた氷のようだったホールの雰囲気は、シンイチというたった一人の存在によ
って再び狂喜にも似た熱を篭もらせていく。
初めは気怠く、しかしゾクリと身を震わせる程の官能を湛えた声で、多大に情事とそ
こに伴う快楽の匂いを含ませて聴覚から思考力を溶かされる様な感覚に、カイトはゾク
ゾクと背筋に何かが走ったのを感じた。
Does
it say "Take this hand by no means"?
The
intention of an unrefined joke.
A ill-natured
joke is stopped and received.
しんと静まっていたホールに無意識の内にも支配力を湛えた声が浸透していく。
ゆったりとしたバラードから、次第にアップテンポへと変わっていく歌声に、漸く正
気に返った楽隊が彼の声に邪魔にならず引けにも取らない音を奏で出した。
I become
nobody's thing.
I'm
not being whose thing, either.
Only
for money, it is that I can be restrained.
I need
only money. I need only money.
水面を漂うような響きは次第に明るく、陽気なものへと変わり、彼がリズミカルにス
テップを踏み出す事で、次第にホールは元の熱い熱の塊へと化していった。
It is
if you want to hear my voice,
you
want to see my dance.
Much
gold is stacked at my feet and received――
凄まじい熱の波が襲ってくる。中心にいるのは彼だ。彼がこのホールの中央に立ち、
その存在全部でこの大きくて小さな空間を支配し思い通りに作り上げていく。
隣で腹を抱えそうな勢いで笑っているコナンを尻目に、カイトは熱心に彼を目で追い
続けた。
あの挑戦的な蒼い目に自分を映して欲しい。
全てを魅了する微笑みを自分に向けて欲しい。
隣に立って。あの細い体を力一杯抱き締めたい･･･
意識した途端に沸き上がってきた欲は、止め難い奔流となってカイトの奥から自制心
だとか理性だとかをあっという間に食い破っていき、彼はターゲットの持ち主なのだ、
と無理矢理に思い込む事で何とか駆け巡る衝動の波を堪えていた。
控え室から出て来たシンイチに、さて何を歌うのかなと彼を見ていると、カイトが突
然こちらを見て聞いてきた。
「なあ、もしかして、あれが･･･」
「シンイチ」なのか？そういう声が聞えてきそうな質問に、コナンは楽しくなって小さ
く口角を吊り上げて、
「気づくの遅いんじゃない？」
とだけ言ってもう一度彼を見つめた。
（あ〜あ〜あんな無防備な格好しちゃって･･･）
隣で頭を抱えているカイトとは別の意味で頭を抱えそうになった。
なんだってあんなに露出度の高い格好で歩き回っているのだ、と。年云々の話よりも、
これは容姿の話だった。昔から自分の実の兄であるシンイチははっきり言って自分の容
姿に自覚症状が無かったが、これはあんまりだ。
（･･･的以外に色香出し過ぎなんだよな･･･っつーか頼むから客取った後は風呂くらい入
ってくれ）
これも、汚いとか言う以前に倍増した色香のハナシなのだが･･･思わず見慣れている自
分ですら見惚れてしまいそうなくらい強烈な。
彼の口から澄んだ歌声が紡がれる。しかし、その歌詞を聞いて思わずコナンは「シン
イチらしすぎる･･･っ！」と吹き出し、どんどんアップテンポになっていく曲を聞きなが
ら大笑いしそうになるのを必死で堪えた。
結局は、ステップが入って客達が熱に取り込まれていく時点で、シンイチがまだ転が
っていたヘイジをあくまでもさり気ない仕草を装いながらげしげしと親の仇と言わんば
かりに蹴りつけ文字通り蹴り起こし追い払っている姿を見て、我慢できずに笑ってしま
ったのだが。
ひーひーと腹を抱えて息をして、なんとか呼吸が整ったところでカイトを見ると、彼
の男はやけに真剣な眼差しでシンイチを見ていた。
くすり、と小さく笑う。
（･･･良かったな、カイト。･･･合格だ）
本能に任せて彼に手を出さなかった時点で。本当に本気になったと悟らせる顔を見せた
事で。カイトの「合格」が決まった。
ちらりと「creak
only」の控え室の方を見てみると、同じ様に楽しそうにしている館
長とシホや目が合った。そして、ほんの小さく頷きあう。
（･･････さてと、後はお前の頑張り次第だぜ？）
と心の中で呟き、コナンは際どいところまで捲れる裾を翻しながら踊るシンイチに視線
を向けた。
カイトは頭を抱えると同時に、どうしても彼から目が離せなくて踊る彼を見つめた。
一瞬でも目が合えば良い、そんな淡い期待を持ちながら視線を送る自分はどこかの恋す
る少女のようだと内心苦笑したが、釘付けにされている視線は否応無く彼を追った。
「･･･なあ、カイト」
とふいに下から声を掛けられてそちらを見ると、コナンが面白そうにこちらを見上げ、
悪戯っぽく笑っていた。
･････････はい、本当の姿で初登場の露出度最高のシンイチさんでした♪
いきなり素っ裸かよ！と突っ込みたければどうぞ突っ込んで下さい（笑）いつの間にか知らない内
に脱いでました。いえ、決して私の趣味とかじゃなく（嘘付け）
ともかく、取り敢えずは出会ったわけですが、これはまだカイトからなので。
二人が顔を合わせるのは次回かまたその次か･･････
コ「シンイチらしすぎる･･･っ！」歌詞。
新一さんが守銭奴みたいになってますけど宜しいですか。
↓
籠を叩く音がするわ。
私は気分良く眠っていたのよ。
眠る私を起こしたのは誰？
まさかこの手を取れと言うの？
品の無い冗談のつもり？
性質の悪い冗談はよして頂戴。
私は誰の物にもならないのよ。
私は誰の物でもないの
私を拘束できるのはお金だけ。
私はお金しか要らないわ。私はお金しか要らないわ。
私の声がききたいのなら
沢山の金を私の足元に積んで頂戴？