を心の中で繰り返していた。怒りよりも何よりも信じられないというショックの方が大きく、その指を見てもまだ「私の思い過ごしかも」とさえ思っていたわけだ。

もちろん、こんなことが今起こったなら話は簡単だ。
一言、「オヤジ…。せめてつっ突き終わった指は元にもどしとけぇぇーーー!」
くらいは店中に聞こえる声で言ってやるだろう。(これって注意する点間違ってないか?)

でも当時の私は、「まさか、まさか」を心の中で繰り返すばかりで結局何も言えないままだった。
そんな弱気な私につけこんで、Mは食事が終わって階段を上がる時には、仲良さげに今度は肩をくもうとさえしてきたのだ。

おいおい、つっ突き終わったら二人の仲が深まってるとでも思ってるのか?
オヤジ、恋愛観恐ろしく間違ってるぞ…。

その時にはさすがに私もスッキリと目が覚め、「やめてください。」と言いながら腕を放した。
→続きを読む