なんと私は、事もあろうにケースの角にゼリーを埋め込んでいたがために、クワガタは食べたくてもその長いキバが邪魔をして、ゼリーまで辿り着けなかったのである。
右から行こうが左から行こうが上から行こうが、どうしたって、どんなに頑張ったって、キバが長過ぎてゼリーには口がとどかなかったのである。嫌がらせのごとく角っこに置かれたゼリーのおいしそうなにおいを楽しむことしかできなかったのであった。
ご、ごめん…。「俺が何をした…。」ってずっと思ってたよね、ほんとにごめん。
すぐさまゼリーの位置を変えてみたが、あまりの気の毒さにそれから少し勉強をして、食べやすいようにゼリーを入れておく木があることなんかも知り、せめてもの罪滅ぼしにとそそくさとまた買いに出かけた。
そして、ゼリーの他にも餌の蜜や、えさ台、止まり木なんかも購入して、「ただいま〜!!」と笑顔で帰ってきたのである。
さぁ、これで快適なお家になりますよ〜!と、帽子も脱がずクワガタの所へまっ先に行ってみると…。
なに、これ…?
一瞬にして血の気がひく私。
なんで、ふたが開いてんの? ま、まさか…。
これは一大事だ。
さぁ、私よ、まずケースの中にオスクワガタがいるのかどうか、ちゃんと確認しようではないか。
と自分に話かけてみるものの、私がまっ先に行ったことと言えば「スリッパをはくこと」だった。
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