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少し前にカシオが熱を出した時、その甘えんぼぶりは最高潮に達した。 まず、「てって!」と言われた後、私の右腕はカシオの頭の下へと移動させられ、そのまま腕枕となり、続けてもう一度「てって!」と言われた時には、残りの左手をカシオの手とつながされ、次は「チュー、チュー!」とカシオはほっぺたを私のほっぺたにベットリペッタリくっつけてきて、最後には無言で私の足の間にぬぅっと足を忍び込ませる始末。 セクハラ係長でもここまではしない。
つまり両手両足、顔が全てカシオに捧げられているわけである。 想像してほしい、この姿…。 こんな短い言葉で、よくもこれだけの要求を理解しやすくつきつけてくるものである。
とにかくどんなにさりげなくカシオから離れようとしても絶対に無理なのだ。 腕枕の腕を離せるはずもないし、つないだ手を離そうものなら、「うぅー!!」と怒って、今度は両手でにぎられ、よけいにひどい状態に…。
これではまるで新手の寝技をかけられているようではないか。 ここまでくると、寝ているのか、戦っているのかわからなくなる。
当然、朝起きた時の寝覚めも、ジムで軽く汗を流しましたくらいの疲労感。 下手すると、「今日の対戦相手は手強かったな」というくらい肩や腰がバンバンな時もある。
いつになれば今度は私が自由人のようにのびのび寝られる日がくるのだろうか…。
ほんと、誰か教えてほしい。
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