ショーン、来日! 2



先日のFMW横浜アリーナ大会にて、ショーン・マイケルズがレフェリーを務めましたが、私はHBKが絶対に得意技のスウィート・チン・ミュージックを出すと予想し、3パターンほど予想してみました。さて実際にはどうだったのでしょうか? 見てみましょう。


HBKがスウィート・チンを出したのは試合中でした。
序盤から中盤に差し掛かろうという頃合いで、ハヤブサに一発!
出す前には足踏みもちゃんとやってくれたので、アメプロファンなら当に狂喜乱舞の瞬間でした。

どうしてスウィート・チンを出したかというと、ハヤブサが再三に渡ってレフェリーに暴行を加えたからです。レフェリーチェックの祭に、一発ローブロー。椅子を取り上げようとした祭に、「うるせい!」とばかりに一発。等など。
そうして怒り心頭のショーンが制裁を加えたという訳です。

もっとも、これはファンサービスの意味合いが強く、その後はハヤブサもおとなしくなりましたし、ショーンも公平なレフェリーをしていました。


というわけで、私の予想は見事に外れました。
……一番の誤算は、ハヤブサと冬木が仲間割れするとは予想できなかったということです。また、試合の勝敗はあくまでHとハヤブサの純粋な力に委ねられたというのも予想しきれませんでした。
まだまだ修業が足りませんね(苦笑)。


さて、日本ではさほど実績のないHBKを呼ぶのには賛否両論があったと思います。つまり、純粋なFMWファンとアメプロファンの間に段差があったということです。「なんでレフェリーがそんなにでしゃばるんだ!」という意見と「ショーンを見るためにやってきたんだぞー」という意見。ちなみに、私は後者の意見です。よって私は大満足でした。




ついでなんでもう少し、気付いた事を。

ショーンは半ズボンにノースリーブだったので分かったのですが、かなり痩せてました。ちょうど、馳浩が選挙後に当選報告のために初めて新日本のリングに立った時のような感じでしたね(分かりにくいかな?)。
やはり、もう引退ということなんでしょうか…。寂しい限りです。

また、開場前にアリーナの裏の駐車場の辺りでショーンを見かけました。今思うと写真に撮っておけばよかったのですが、5人で並んで歩いており、キニョネス、ドリーマーとあと二人(たぶんレイヴェンとマホーニー)と何やら話していました(たぶんただの雑談)。
で、キニョネスがいたことと、TWAとFMWが提携(?)することを考えると、ショーンはWWFコミッショナーの顔ではなく、TWAのオーナーとして来日したのでは? そしてショー船木とキニョネスを代理人としてFMW方から接触していったのでは?
あ、上の段落はあくまで私の勝手な推測ですよ。事実だとは決め付けないで下さいね。



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FMW11・23観戦記



11月23日(火)FMW 横浜アリーナ大会
(※フォントは小さ目のほうが見やすいです)


<第1試合>
WEW6人タッグマッチ選手権王者決定戦
〜スナッチングラダーマッチ 60分1本勝負
リッキー・フジ
フライングキッド市原
チョコボール向井
WITH 若菜瀬奈
(ベルト獲得) 中川浩二
邪 道
外 道
WITH 荒井薫子

6人トルネードタッグマッチで、リング上にラダーまであるのでゴチャゴチャした試合だったのは否めず。それなりに見所も有りましたが、“ラダーマッチの達人”ショーン・マイケルズの目の前でやるには少し失礼な内容でした。
試合そのものよりも、試合前に流された両チームのプロモビデオの方が笑えました。



―――――――――――
ここでRAWisWAR的に荒井社長と冬木コミッショナーのやりとりがありました。面白かったです。うまくメインとセミの煽りをやっているところもグッド。
さらにモニタにはショーンも登場しました。ライブなのに字幕がついているという親切振り(?)でした。
―――――――――――



<第2試合>
女子スペシャルタッグハンディキャップマッチ
中山香里
元川恵美
(ダイヤモンド・バスト) ミス・モンゴル
ジャズ
マリア・ホサカ
×

いたって普通の女子プロレス。順当に中山の勝ち。



<第3試合>
異種格闘技空手ジャケットマッチ
○ウィリー・ウィリアムス (KO) 非道×

「熊殺しが来た!」というけど、やっぱり非道は弱いし、ウィリーも衰えは隠せず。テーマの見えにくい試合でした。



<第4試合>
レスリング伝承スペシャルタッグマッチ
ドリー・ファンクJr
テリー・ファンク
(スピニングトーホールド) 佐々木嘉則
山崎直彦
×

あのザ・ファンクスが7年8ヶ月ぶりに来日!! スピニングトーホールドが鳴り始めた時点でかなりの盛り上がり。私もまさかこの耳で聞けるとは思ってませんでした。
ドリーのエルボー、テリーのパンチ、それぞれの受け身などに大歓声。やっぱり重みが違います。テリーが長時間捕まっている間は結構眠たかったのですが、最後はこれしかない! のスピニングトーホールドの二重奏。まさかこんな光景を日本で見れるとは思ってもいませんでした。やっぱりシビれましたね。



<第5試合>
WEWハードコア選手権試合
○金村キンタロー (ダイビング・セントーン) ボールズ・マホーニー×

金村とECWの有望株マホーニーのハードコア戦。目指しているものはWWFのハードコア戦と同じです。試合開始からしばらくすると、両選手とも花道の奥に消えていき、車とかを景気よく壊す様子が会場内のモニタに映し出される。二人ともなかなかのハードコア振りです。
が、フィニッシュは花道の奥の所(席から直に見える位置)で決めたのですが、その手前にカメラマンが群がり、全く選手が見えない。そりゃモニタには映ってたけど、やっぱ会場に来たんだからこの目で観たいですよね。場内に怒号が響いてました。



第6試合
WEWタッグ選手権試合
黒田哲広
大矢剛功
WITH 谷本知美
(ラリアット) レイヴェン
トミー・ドリーマー
WITH フランシーン
×

レイヴェン様の登場です。ECWチームの人気はレイヴェン > フランシーン > ドリーマーの順でした。大矢と黒田はプロモが楽しかったです(某テレビCMのパロディ)。
レイヴェンのクルスフィックスポーズ、コーナー座り込み、イーブンフローDDTが見れて私は大満足でしたが、試合全般としてはイマイチ締まりのない内容でした。まあ、初対決でしかもトルネードタッグだったから難しかったんでしょうけどね。


―休憩―


第7試合
WEW選手権敗者追放試合
〜13000V放電金網サンダーボルトデスマッチ
○田中将斗 (ローリングエルボー) 冬木弘道×

15分の休憩の後の試合。放電金網だったら設営にもっと時間がかかるかと思ってたのに、WWF式で金網は上から吊るしてあるのを降ろすタイプ。また、試合前にはこれまでの経過が流れる。こりゃありがたいですね。
金網はエプロンの外側にあり、当たると火花&煙&ビリビリという音が出るという仕組み。5分経過頃には二人とも一度ずつ被爆。そこからはカウント2の応酬となり、激しい攻防となる。さらに被爆二回を含めて熱い攻防の末に田中が執念で勝利。冬木を清掃車に乗せて、そのまま運転しながら退場していきました。
個人的にはこれがこの日のベストバウト! 冬木は本当にFMW追放なのかな?



第8試合
カウントダウンミレニアム
○ H (フェニックス・スプラッシュ) ハヤブサ×

暗転してプロモを流しているうちに、前の試合の片付けをしていたので、特にタイムラグはなし。この辺りの進行はよくできていましたね。
試合の方はやってることはすごいのにイマイチ盛り上がらないという困った試合。が、最後にはファイアーバード・スプラッシュ、 Hエッジ、 フェニックス・スプラッシュと怒涛の攻めを見せたHの勝ち。試合後にHとハヤブサは和解。新たな展開へと進む。



<いろいろ総括>
演出とかのおかげもあって、満足度の高い興行でした。ただ、試合そのものでは大味な試合が目立ったような気がします(カウント2の応酬ばっかり)。エルボー一発で観衆を酔わせていたドリーを見習って欲しいと思います。
開催前には豪華な外国人選手が話題になりましたが、メイン・セミが日本人対決だったことや、邪道&外道が第一試合で使われてたことを考えると、なかなかの選手層の厚さを誇っていると言えるのではないでしょうか。



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悲運の実力者、テッド・デビアス



昔からのファンの人に「テッド・デビアスのニックネームは?」と聞くと、いわゆる正統(?)の『鋼鉄男』のほかに、『時期NWA世界チャンピオン候補』と答える人もいるのではないかと思われます。

それくらい、時期チャンピオンになるのを確実視されていた存在だったのです。
そんな彼も、結局はチャンピオンになることなく引退(と聞いています)してしまいました。

ここでは、実力がありながらも「ハンセンのパートナー」「噛ませ犬」のポジションで落ち着いてしまった実力者、テッド・デビアスの話をしたいと思います。


さて、デビアスの実力は、いわゆる「玄人好み」系のレスラーであったために、パッと一目見ただけでは分かりにくいので、レスラーの証言から見てみましょう。

まずリック・フレアー (週刊プロレスNo.754より)
私はNWA王者だった頃、よく“自分にとって変われる存在は誰か”という自問自答をしていた。多くの人は故デビット・フォン・エリックの名前を挙げ、彼が生きていれば私の王座はもっと短かっただろうと言う。しかし、それは間違いだ。もし彼が生きていても、私は絶対に彼に負けて王座を失うことがなかったと、断言できる。
逆に”どうして負けずに済んだのだろう”と不思議に思うのがテッド・デビアスだ。彼はいろいろな面で私以上に才能があり、実力があった」

次に秋山準 (週刊プロレスNo.947より)
(一番強かった外人選手は? と聞かれ)凄いのはベイダーですけど、うまいのは、テッド・デビアスがうまいなあ、これはかなわんなと思いましたね」

次にジャイアント馬場 (昭和58年発刊「16文が行く」より)
デビアスは非常に真面目で、レスリングも、人間的にもプロモーターから信頼されている。
“オレはチャンピオンになるんだ”という自覚と気力をはっきり持っている。今のまま真面目にやっていけば、必ず、NWA世界選手権者として世界の最高峰に君臨できる男だ」

さらに全日本に最後の来日を果たしていた時期がありましたが(93年の下半期、この頃に秋山と一騎打ちをしている)、テレビ解説者の百田さんによると、
「ゴディ&ウィリアムス組がとても強かったので、それを倒すためにハンセンはデビアスを呼び戻した」とのこと。
D.スパイビー、J.エースとパートナーの力量不足に悩んだハンセンが、デビアスの力を必要としたというわけです。


さて、馬場さんも時期NWA当確だろうと発言しているのに、結局はなれなかった理由は何なんでしょうか? これは上のリック・フレアーの発言の続きに、答えがあります。
彼がNWA世界王者になれなかった理由はただ一つ、He was never at the right place at the right time.(いるべき時に、いるべき場所にいなかったからだ)」
NWA王者になるには定期的にNWAの総本山セントルイス大会に出場すべきだったのに、デビアスはビル・ワットへの義理を優先して、UWF地区に長く居過ぎたことが挙げられるそうです。


というわけで、NWAチャンピオンにはなり損なってしまいました。そして、他にも、あまり運に恵まれたレスラー人生とは言えないようです。

全日本ではハンセンとタッグを組むようになり、世界最強タッグ決定リーグ戦で優勝を果たしたり(85年)もするのですが、前年までハンセンのパートナーはブルーザー・ブロディであり、かの伝説の「超獣コンビ」だったわけです。いくらデビアスがいい選手でも、あの圧倒的なパワーを誇った超獣コンビの前では霞んでしまい、“ブロディの代役”程度にしか見られませんでした。

また日本でのプロレスの流れが、ハンセン・ブロディや長州力の登場によって、基礎の出来る受けの選手よりも、パワーで攻めまくる選手の方が好まれるような風潮ができつつありました。デビアスが地味な選手だったこともあり、この流れに取り残されるような格好となってしまったのです。


87年にWWF入りし、『ミリオンダラーマン』として売り出されますが、なにぶん当時のWWFは筋肉マンによるエンターテイメント路線の真っ只中。デビアスはホーガンの噛ませ犬としての役所となりました。
一時期、IRS(マイク・ロトンド)との渋いコンビで人気を得たりもしましたが、90年に東京ドームで開催されたレスリングサミットではアルティメット・ウォリアーの噛ませ犬をやらされていました。

全日本への最後の来日後は、マネージャーとしての活躍が主となり、結局はトップシーンに返り咲くことはありませんでした。
そして、生涯シングルのビッグタイトルを獲得することはなかったのです。



プロレスではレスリングの実力のほかにも、いかにお客を呼べるか、というのもレスラーの大事な要素です。
実力はあるけど、「ファイトスタイルの融通がきかない」「キャラクターが地味すぎる」「強烈なオリジナルフィニッシュ技がない」「体が小さすぎる」などの理由で、レスラーとしては大成できなかったという例はいくらでもあります。
このデビアスの例が典型的なものでしょう(2番目と3番目に当てはまります)。




<おまけ(と言いつつ長い) ・ 極私的デビアスの技の批評>
デビアスのフィニッシュというと、本人は足4の字にこだわっていた様ですが、足4の字はフィニッシュの激戦区(?)であり、たくさんいる使い手の中で、突出した使い手になるのには少々無理がありました。

それに対し、すごく評判の良かったのがパワースラムです。華麗に受け止めるようにして相手をキャッチし、自らもジャンプして決める一撃は説得力十分でした。これをもう少しうまく使っていれば、もっと活躍できたと思います。
しかし、私の中でパワースラムの使い手は、故バズ・ソイヤーのリープフロッグを誘ってからの一撃か、アニマル・ウォリアーのパワーと重量感溢れる一撃が、同率で一位で、デビアスはそれ以下ということになってしまいます。

私が「この技の一番の使い手はデビアスだ!」と思っているのは“フィストドロップ”です。
体全体を使って突き刺すように決めるもので、ハーリー・レイスの“頭蓋骨へのニードロップ”と並ぶ、見ている方の頭まで痛くなる技でした。現在は大森隆男がよく使っていますが、デビアスの域にはまだまだ届かないといえるでしょう。




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「噛ませ犬」の話



プロレスの世界で「噛ませ犬」というと、長州の噛ませ犬発言が余りにも有名ですが、ここでは「そこそこのポジションにいる選手が新たに出てきた選手相手に負ける試合」について、考えてみたいと思います。

今の全日本プロレスでは、外敵が来襲! というようなシチュエーションが無いので見かけません。が、昔にジャパンプロレスが参戦して来たときには、天龍が長州に敗れています(天龍のリングアウト負け。これは名勝負として名高い試合)。
最近の新日本プロレスでは山崎一夫がやらされていました。小川直也、ドン・フライと異種格闘競戦を行い、相手の力を引き出しつつ負けています。これは、山崎が異種格闘戦に対応できる選手だということも理由の一つでしょうが、それよりも、山崎のポジションの方が大きな理由でしょう。
山崎のポジションといえば、IWGPタッグを獲得したことはあるし、IWGPシングルに挑戦をしたこともあるが、団体のエースとなるには少し無理があるという選手です。
この選手に勝つことによって、小川やフライは一気にトップ選手(闘魂三銃士クラス)のポジションに駆け上がることができたというわけです。
最近のWWFではケインが初登場後に、マンカインドやベイダーを連破して、一気にアンダーテイカーと肩を並べるポジションに上ったのが印象深いですね。まあ、当時のケインの実力でベイダーに二回も勝ってしまったのは、あまり納得のできない結果でしたが…。


さて、私が認定する(?)、キングオブ噛ませ犬は“バンバン・ビガロ”です。
彼も新日本でIWGPタッグは獲得していますし、IWGPシングルにも3度挑戦しています(もちろん、奪取経験はなし)。これ以上ないというくらいの絶好の噛ませ犬ポジションです。
そんなわけでビガロはことごとく噛ませ犬を演じさせられています。89年4月24日のサルマン・ハシミコフのプロデビュー戦の相手になり敗北。翌90年2月10日の北尾光司のプロレスデビュー戦の相手になり敗北。さらに95年4月2日にローレンス・テイラー(元アメフト選手)のプロレスデビュー戦の相手になり敗北。
順に東京ドーム、東京ドーム、レッスルマニア11の大舞台で、他競技から転じてきた選手の相手となり、典型的な噛ませ犬の役割を果たしています。
ビガロの実力で、プロレス転向第一戦の選手に負けるなどということは、有り得ないのですが、そこは興行の世界です。ビガロの役目は対戦相手を際立たせることだったわけです。

現在ビガロはWCWに所属していますが、選手層が異常なまでに厚いWCWではトップに立つ可能性はまず無いと思います。
巨体の割に身軽というのが、最大のセールスポイントですが、その身軽さ故に一撃一撃にベイダー程の迫力を秘めていないというのがビガロというレスラーの最大の欠点ではないでしょうか。


今のままWCWに参戦していても食べていくには困らないのでしょうが、心機一転して全日本プロレスに参戦してベイダーとのタッグ再結成なんて展開になった方が、輝けると思います。



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「嘘つき」コール



最近の新日本プロレスでは、年に複数回の東京ドーム興行も珍しくなくなってきましたが、初めて年に複数回の東京ドーム興行を行った団体は、今はなき「SWS」です。

SWSの詳しい歴史や設立の経緯は、機会があればこのコラムでお話ししたいと思っています。

さて、SWSが年に複数回のドーム興行を行ったのは1991年。
90年10月に旗揚げしたばかりの同団体が、91年3月30日と91年12月12日に東京ドーム大会を開催したのです。
特に3月は、わずか9日前の3月21日に新日本プロレスが同じ東京ドームで興行を行っており、興行戦争としても多いにマスコミを賑わせました。

新日本のドーム大会は藤波vsフレアーのダブルタイトルマッチをメインに、WCWとの提携でカードを組み、64500人という観客動員数の記録(当時)を打ち立てました。ではSWSの観客動員数はどうだったかというと、「64618人」でした。

少し考えれば分かるのですが、あからさまなサバ読みです。
目分量でも「満員」程度だったようですし、新日本より118人と微妙に多い辺りから、怪しさがプンプン臭うという訳です。

ここで会場からは何と
「嘘つき」コール
が起こったのです。これは当に前代未聞のことです。


思えば、今年の5月、全日本プロレスの東京ドーム大会も65000人という少々多めのサバ読みでした。

勿論、このサバ読みはジャイアント馬場引退記念興行という、これ以上のビッグイベントあってはいけないというものでしたし、天国の馬場さんに捧げるという意味でもこの人数にしたのでしょう。今後、全日本の東京ドーム興行でこの数字を越えることはないと考えられます。
同じことは新日本プロレスのアントニオ猪木引退興行でもいえました(7万人は明らかに消防法に違反しているはずですから)。
サバ読みはプロレス界の悪しき慣習の一つでしょう。

少し話が逸れてしまいましたが、この65000という数が発表された時、会場は一斉に
「オオォッッーーー!!」
と驚きと歓喜が混ざった声。


この「嘘つき」と「オオォッッーーー!!」の差こそが、SWSという団体と全日本プロレス(平成になってから)という団体の、ファンからの信頼度の差を表しているといえるでしょう。

SWSといえば週刊プロレス(主にターザン山本)に「金権プロレス」とか「天龍は金で動いた」などと強烈にバッシングされていました。その辺の影響でファンの信頼を得られなかったというのもあるのでしょうが。
やはりいくら資本力があっても、ファンに支持されていなければ潰れていくのです。バブル経済がそんなに長続きするはずもありません。


このドーム大会も資本力に物を言わせたWWFと提携路線が目玉でしたが、“カードのお祭り感”と“名勝負・好勝負”とは必ずしも一致しないということ、証明していると思います。

が、アンダーカードに目をやると、な、何と! 「B.ハート&J.ナイドハート vs S.マイケルズ&M.ジャネッティ」というカードがあります。これはまぎれもなく、元祖ハートファウンデーション vs ミッドナイト・ロッカーズです!
ヒットマンvsHBKの対決(タッグだけど)が日本でも実現していたのです。
うお〜、SWSゥ〜〜! 今ならこのカードのために、喜んで見に行くぞぉ〜〜〜!!! って、もう遅いですね…。




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