「眠い」
5時44分
この駅に始発の電車が到着する2分前
眠そうにベンチに座っている者
眠そうに立っている人
眠そうにコーヒーをすする者
例外的に
きりっとした顔立ちでジッと電車を待ってる者
周りに自分は眠くは無い
あなたたちと違い私は、眠くないんだ
そう、主張させられているような感じを受ける
今日も3番乗り場近くにある3人掛けの席の太陽側に
白髪、白髭、雰囲気は紳士を思わせるようなあの老人が座っていた
この老人を探るために
わざわざ、今日は7時に学校に行かないといけないと
親に嘘ついてまで
始発に間に合うように家を出た
この老人は何のためにこの駅に来ているのだろうか?
いまだに、電車に乗ったところを目撃した事が無いのである
僕が学校に行く頃にはすでにいつもの場所にいて
僕が学校から帰ってくるときもいつもの場所にいるのである
たまに、いないときがあるのだが
心配して待ってみると
何事も無かったようにベンチに戻ってくる
心配するとは奇妙な感じがするのだが
当たり前の光景がある日当たり前じゃなくなると
誰でも不安を覚えるだろうし
それが、老人の事となると
よりいっそうその不安が強くなる
学校に行くまでの電車の時間
授業の暇な時間
休み時間
時間が空くとその老人の正体について考えるようになっていた