初めて見かけたのは、2週間前
気になりだしたのはその4日後から
お昼はどうしてるのか
そう思い一度仮病を使い病院によってから
午後から学校に行く事にして
お昼頃駅に行ってみると
当然のように老人は自分のカバンから弁当を出し
ベンチで食べていた
夕食も一緒
カバンの中から何か食べるものを出し食べていた
しかし、まだ最初から最後まで見届けた事は無い
「4番乗り場に普通○○行きが3両でまいります
危険ですから黄色い線の内側までお下がりください」
この駅の夜明けを告げる始発電車がホームへと入ってきた
ほとんど人の乗っていない車両に引き込まれるよう
駅にいた数人の人たちが電車に飲み込まれていく
老人はジッとその光景を見ているだけ
「ドアが閉まりますご注意ください」
その10秒後電車はでていった
その後約20分おきくらいに電車が入ってきたり
でていったりを繰りかえし
朝の混雑した時間
なにか焦った感じの人たちが多い時間
騒がしい人が多い時間
のんびりとした人たちが多い時間を経て
時刻は正午を迎えた
時折トイレに行く以外は相変わらず
ずっと老人はベンチにいた
何するでもなく
ただ、空を見、電車を見たり
子供に笑顔を送ったりしている
何が楽しくてこんなことをしているのだろうか
電車に乗るでもなくただただベンチに座り
他人から見たら退屈としか言いようの無いことを
毎日続ける事になにか意味があるのだろうか
そう考えるとますますこの老人に興味をもった
すぐ近くにいるのだから直接色々訊いてみようとも思ったが
不審な人だと思われるのも嫌だし
僕を警戒してどっかいってしまったら困るのでやめた
変わった帽子をかぶった小学生が数人電車から降りてきた
海外の大学の卒業式にかぶっているような帽子をもうちょっと小さくした感じの帽子
どこかの私学の生徒なのだろう
彼らをみるとなぜか悲しくなる
彼らは望んでその学校に入ったのだろうか
それともただ親の見栄のため
「あなたの将来のことを思って」
なんて台詞を聞かされ続け育ってきているのだろうか
「まぁ、関係ないけどね」
誰にも聞こえないくらい小さな声でつぶやいた
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