そんな風に思いながら一曲ずつ曲名に目を走らせていた時、最後の方に不自然なものを感じた。最後の最後に数行の空白の後、まだ何か書かれていたからである。

ワムのラストクリスマスだった。

お兄さんは私がこの曲を好きだった事を覚えていてくれて、さりげなく別 のアルバムの最後に入れておいてくれたのだ。

言葉がなかった。
こんな何年も何年もたってから気付くなんて…。
なぜ当時「ワムも入れといたから」と言ってくれなかったんだろう。
せっかく入れたのに何の反応も示さなかった私をどう思っただろう。
なにより、なぜ私は一度もケースを開けなかったのだろう。
申し訳なさすぎて涙が出た。
一言お礼が言いたかった…。

私にとってこの曲は今でも大好きな曲である。しかし同時に「いいかげんなことはするな」というちょっとした戒めの曲ともなっている。

今年もラジオからこの曲が流れてくる。
取り返しのつかない事ほど、より深い思い出となるのかもしれない。