いつの間にか梅雨は終わってしまって、いきなりの猛暑。ご存知のとおり、汗っかきのくせに長時間の冷房があんまり好きじゃない僕は、例年と同じくさっそくアセモができちゃいましたぁ〜。
さてさて、もうすぐ夏休みです!? というのは、この春から始まっている専門学校横浜ミュージックスクールのことです。慣れない先生役もやっと一段落。いったいこんな僕にどんなことが出来るのか、少し不安を抱えながらの春のスタート。教えることが教えることだけに、「『先生』って呼ばないで欲しい」なんて言ってはみたものの、便宜上言い易いんでしょうね「陣内先生〜」なんて呼ばれてます(笑)。中には僕のわがまま通り「陣内さん」って呼んでくれる子もいたりしますけど。
僕が教えるのはボーカルコースの男の子達限定。7,8人のクラスを3クラス受け持ってます。ほとんどが19歳で、最年長が21歳くらいかな。週に一度学校行って、午前に1コマ、午後に2コマ。90分づつの授業です。でも授業とはいっても、テーマはボーカルワーク。僕はただ自分の経験からのアドヴァイスを、色々な角度から伝えて行きたいと考えていて、またそんな感じを学校側からも求められました。でも実際授業が始まると、あたり前だけど多種多様なキャラと才能のヤツ達がいる。別に学問として体系化されているわけではないので、それらを一括りにして何かをやれるなんてのはクラスのテーマ上なかなか難しい。自然にワークショップ形式みたいになっていきました。本当にね、斉藤和義好きからガクト好きまでと幅が広い広い。洋楽好きの奴もいれば、日本の古き良きポップスが好きな奇特な奴もいる。もちろん基本的な声の出し方とかいわゆる発声法なんてものは一緒にするけども、その先は自分で曲をつくりたい奴から、とにかく何であろうと歌いたいっていう奴までその「目的」の種類が少しづつ違ってきます。でも共通しているのは「今の自分を何とかしたい!」っていう「未来」を描いているところかな。何となくボンヤリとでも「どうにかしたい!」という情熱みたいなもの。ま、それぞれの温度差はあるけど、かつての自分を彼らに重ねたりしながら、その描いている「未来」に具体性をもって貰う為にやっています。良い面においても悪い面においても、ここに一つの具体例があるよって感じで彼らに接しています。
僕がデビュー出来そうだとかやっぱりダメだとかで、色々悶々と日々東京で過ごしていた頃に出会った人達っていうのは、皆今の僕くらいの年齢でした。あの頃言われてやる気になった言葉、その気になった相手の態度、伝わってきた気持ち、傷ついた言われ方、落ち込んだやられ方、、、、。色んなことをゆっくり思い出しながら、今の自分が彼らに向かう時に応用させてもらってます。
さて彼らに出す夏休みの宿題は、今の彼らの各々のパフォーマンスの模様の映像を渡しておいて「理想とは別に、今の自分に対し認めることとダメ出しとを自分で考えて欲しい。その上で自分で現時点の自分をプロデュースするとしたらどうしたいか?」ということをまとめて来て欲しい、というものです。これって今の自分にも当てはまる宿題です(笑)。彼らには、いつだってそういう頭の回路は必要になっていくし今の僕もそうだ、ってことを伝えるととても驚かれます。もちろん自分自身のパフォーマンスをしげしげと一人で客観的に研究する経験はなかったようで、何だか皆やる気になってます。というか、これはボーカリストとしての宿題という枠を超えて人間的なテーマにも繋がって行くものでしょう?どんな風に彼らが考えて、どんな思いを具体的に広げてくるか楽しみです。
さて、後回しにしないで僕も夏休みの宿題をやるとします(笑)。皆さんも宿題は早めに済ましたほうがいいですよぉ〜。とにかく、今年は猛暑だそうです。くれぐれも、くれぐれも体調に気をつけてください!!!

2004/07/15 陣内大蔵


BACK NUMBER / 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
[更新]