「Vibes」始動

こんにちは!!

 掲示板にも書きましたけど、4月下旬から「Vibes」のレコーディングの佳境でテンテコ舞いでした。いやねぇ〜ソロの時と違って色々勝手が違うので、気分は新人君!!
連日の歌入れでした。中継書き込みなんかもしましたけど、結構頑張りましたよ〜!!自分で自分を誉めてあげたいって感じでした(有森風、、、はは)。あんまり今までは連日歌入れなんていうものは経験なんかったんですけど、メンバーのスケジュール上いたしかたなく歌いまくりました。というか、バンドの方針的にはソロの陣内とはまた少し違ったボーカルディレクションをしたいということもあり、それなりにソロ陣内とは違うので楽しみにしていてくださいね。

 さて、BBSにも書きましたけど「自然」の力に助けられたって経験をかきます。
 いつものボーカルディレクションと違うので僕は実は実際結構煮つまり悩みました。どうやって歌っていいのか、どう歌をコントロールしていいのか、壁にぶちあったったんですよね。ずっとソロの時はプロデューサーとの間で年月重ねてきているので分かりあえる距離で歌ってきたんだけれども、お初の方ばかりの前でレコーディングでしたから、ノリを掴めるまでの時間もかかりましたし、自分のメロディーではないものをこんなに一気に歌い込むという初体験。出来ればぜーんぶ投げ出して逃げちゃいたいくらいナミダチョチョ切れ日もありましたぁ。やり直しの連続の中(セルフコントロールも限界で)声が出なくなってしまい、内心「やばいなぁー」と思ってました。大袈裟に「声が出なくなってしまった」なんていうと一大事ですけど、正確には声をだす気力がなくなりそうになったんです。「だめだゎ、俺」って感じかなぁ。ある曲をいくら歌っても良いテイクが録れないわけです。

『陣内さぁ、今日はこれくらいにしておいてさ、また明日歌い直そうよ』くやしいけれども、現実は言われる通りで客観的に全くだめでした。こんな経験は新人の頃以来(別にメンバーが厳しいとかではないんです。新しい条件になかなか対応が器用にできなく自分で納得いかなかったってことです)。忙しい中思いどうりに行かず、ネガティブな事ばかり頭に浮かぶし、ちょっとした批評も非難みたいに聞こえてしまうし、疲れているし、、。人間って余裕がなくなると、受け皿も小さくなってしまうものです。打ちひしがれた感じがしました。それで、深夜の帰り道にふと頭に浮かんだことは

「あれ?俺ってしばらくゆったりしていないぞ。心の深呼吸していないぞ。あくせくしっぱなしだぞ。」

次ぎの日の入り時間は午後1時だったんですけど、いきなりスタッフに連絡とって僕の入り時間を遅らせてもらいました。ちょっと強引で失礼かな?って思ったんですけど、一日をまた同じように無駄に終わらせたくなかったんで、、、。そして、世田谷区の片隅にある「等々力渓谷」という等々力不動尊近辺に向かいました。滞在2時間くらいかなぁ?緑と水の溢れる場所です。そこは、太古の遺跡もあったりせせらぎがあったり、修行のための小さな滝があったり湧き水がでていたりと、緑に囲まれた空間です。まえからとても好きだった場所なんです(ご存じの方もいらっしゃると思いますけど都会の中にもそんな感じで昔の状態が保存されている地域があるんです)。目を閉じてベンチにすわり、お腹で深呼吸をして、耳をそば立てて「風」や「水」や「緑のざわめく音」なんかの中に身を置きました。

『自分はここにいて、立派にこの場所の一部なんだぞ』

な〜んて風に考えながら力を抜きました。マイナスイオンでも何でもいいからとにかく今の僕にエネルギーをくれぃっ!ってな感じで楽ぅ〜にしながら集中しました。あんまりそんな感じで長居すると危ない人(?)って思われそうですから、適度に切り上げてスタジオに向かいましたけど、変な言い方をすると「リラックスすることに集中」しました。クレバーな方々はもう先が読めると思いますけど、不思議にその日の歌入れは大成功だったんです。

「どしたの??全然いいよぉ。昨日とは別人だよっ!!!」なんてことで、昨日までは何時間かけてもだめだったのが、その日その曲は小一時間で終了。ポーンと歌えたような感覚でした。その日を境に、スタジオ入りする前に意識して自然に触れるようにしました。気のせいかもしれませんけど、それ以降は割りとスムーズに歌入れできました。ちょっと自分でも驚きました。冗談ではなく「自然」のなかに身を置いて少しでも落ち着くってことはどんなに大事かがわかりました。今回は本当に心から「救われた」感がつよくてああいう中継メールを書いたんです。とはいいつつも曲の仕上がりをどう捉えて貰えるかはこれまた別問題ですね〜。
いつも優しく厳しく、厳しく優しい皆様からどんな感想が聞けるかを楽しみにしていますよぉ(笑)。多分次回のクリップニュースでリリース詳細やレコーディングレポートなんかもお届け出来るかもしれません。お楽しみに!!

 まだ、トラックダウン&マスタリングという作業が下旬に残っていますが、これで歌入れが終わったので6/21の準備にかかり始めることができます。
2003/05/12 陣内大蔵


BACK NUMBER / 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
[更新]