見えない壁
好きなのに、君は一度も見てくれなかった。
本当の、ボクを…。
君は、君の理想のボクを見る。
ボクは、その理想に応えた。
応えることが出来た、3年間。
でも…………。
もし、君の理想から少しでもずれたら、君はボクを好きだとまだ言ってくれるか。
自問自答する。
…言ってはくれない。
これだけ、君のこと理解することが出来る人は、ボクくらいだよ?
他人から押し付けられた理想を、完璧に演じきる君。
君自身は、もう演じてることすら忘れてしかったんだろう…。
それでも、ボクの前では違ってて。
その変わりに、ボクが演じ続けなければならなかった。
君の、理想を……。
「疲れたんだよ……」
君みたいに、演じていることを忘れられたら良かったのに。
出来なかった、ボク。
君のためだけにしてきたテニスを、ボクは君と共に忘れる。
そう告げた時、わかっていたのに『終りだな』と確信した。
そして、君から『終りにしよう』と告げられた時、哀しいのに嬉しくて。
そんな自分が、余計に惨めで。
「君の理想になれなくて、ごめん」
君の愛したボクは、もういないけど
君を愛したボクは、まだここにーーーーー…………。
今回は不二サイドのお話です。
え〜、ここで完結なんですが、次で落ちがあります(笑)
ここでたっぷり余韻を残して、次へ進んでください。
落ちがあるあたり、関西人だよな〜(涙)
綺麗な話で進んでるのに、自ら変な方向へと進もうとしてるおバカな峰谷……
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