ヘルメットの規格

安全度の高い順に記載しています(つまり上に行くほど安全度は高い)。
 一応一般的な資料に基づいて作っていますが、一部私見が入っている部分もあります。また、あくまで私の知識の範疇でしか書けませんので、抜けがある場合やより詳しく確実な事を知りたい場合は自分で調べるかメーカー等にお問い合わせください。

スネル2010
 現在もスネル規格は更新されていっています。スネル規格に適応しているヘルメットは最大級の安全性が保障されていると言えるでしょう。
スネル2000
 最新のスネル規格です。現段階で最も高い安全規格です。どんなバイクに乗る時でも安心して使用できます。
スネル95
 一つ前のスネル規格です。それでもJIS規格よりは高い安全基準となっています。スネル2000にはかないませんが、こちらも十分安心して使えるヘルメットです。
JIS2000
 現在、JIS規格はA・B・C種が統合され、この規格となっています。基本的に旧C種以上の安全基準なのですが、一部(対貫通性のテスト等)甘くなっている部分もあります。とはいえ、今までのJIS規格の中では最も安全性が高いと言えるでしょう。
 JIS規格がJIS2000に統合されてから、JIS規格対応のヘルメットが大幅に減りました。某有名メーカーの代表的ヘルメットでもJIS規格は採用していなかったり、スネル規格を通っているのにJISはなしというヘルメットがあったりします。
 単純にヘルメットの質が悪いというよりは、JIS規格を避けているような傾向があります。コスト的な問題でしょうか?
 何にせよ、JIS2000の登場によってSG規格のみのヘルメットが増えてしまったことで、一見してヘルメットの安全性の高低が分からなくなった事は困ったものです。
JIS規格C種
 旧JIS規格の中では最も高いものです。スネル規格ほどではありませんが、安心して使えるレベルです。
JIS規格B種
 この規格より125cc以上の(つまり要自動二輪免許の)バイクに対応しています。最低限必要なレベルは満たしているヘルメットです。
 自分の命が大切なら(たとえ原付に乗っていても)この規格以上のヘルメットはかぶって欲しいと思います。
JIS規格A種
 125cc以下のバイク限定で使用が許されているヘルメットです。ハッキリ言って安全性は低いです。中でも半キャップ型のものは安全性は皆無と言っても良いので、出来ればかぶって欲しくありません(それでも、きっちりかぶればノーヘルよりも百倍安全ではありますが…)。値段的にもB種の物とそう変わらないので、出来ればそちらの方をお勧めします。
 もちろん、125cc以上のバイクに乗る際にかぶるのは絶対にダメです。
SG規格
 国内で販売されているヘルメットは基本的にこの規格を通っています。安全がどうのというよりはバイク用のヘルメットですよという証のようなものです。
その他
 ヘルメットにはバイク用の他にも「四輪競技用」「装飾ヘルメット」「工事用」「軍隊用」などがありますが、全てバイクに乗る際には使えません。一見頑丈そうな物でも、安全面ではバイク用の最低基準すら満たしていないと考えてもらって間違いありません(軍隊用の物などはバイク用ヘルメットよりも遥かに堅いですが、転倒などの際には衝撃がもろに頭蓋を突き抜けてしまい何の意味もありません。あれはヘルメットではなく兜なのです)。
 要注意なのは装飾用ヘルメットで、形はバイク用と同じような感じでもあくまで装飾用(つまりインテリア)なので、安全性はありません。JIS規格A種にすら遥かに劣ります。デザインが良いからといって、間違って購入したり、使用したりするととても危険なので気をつけてください。
 恐ろしい事に、装飾用と分かっていて使う人もいるようですが自殺行為な上に違法行為(ヘルメット着用義務違反)で何一つ良い事はありません。ノーヘルと同じです。
ヘルメットの着用について
 ヘルメットの説明書にもくどくどと書かれているので今さら私が書く事もないのですが、あまりにも正しく着用出来ていない人が多いので、皆が分かっている事を承知であえて書きます。
 ポイントは2点。「しっかり頭にかぶる(首かけはダメ)」と「アゴ紐はきっちり締める」です。これをしていないとヘルメットをかぶっている意味はないと言えるほど重要な事です。また、これらが守られていなければヘルメット着用義務違反で捕まります。
 時々、後頭部付近に(半キャップの)ヘルメットがくるので普通にかぶるより首かけの方が安全などと、とんでもない誤解をしている人がいますが全く違います。そんなかぶり方ではヘルメットは何の役にも立たないばかりか、そんな位置にぶら下がっているヘルメット自体で怪我を増幅しかねません。きっちりと装着した方が後頭部も守られます。というか、後頭部を守りたいならジェットヘルメットかフルフェイスヘルメットをかぶっていただきたく思います。
 アゴ紐はたとえヘルメットがガチガチに頭にくっついていようとも必ずきっちりと締めなければいけません。そうしないと事故や転倒の衝撃でスポッと脱げてしまい、剥き出しの頭をアスファルトなどに叩きつけてしまいます。事故や転倒の衝撃は想像以上のもので、フルフェイスヘルメットなどが本当にがっちりと頭にくっついていたとしてもアゴ紐を締めなければ、本来なら掠り傷程度の軽い転倒でも、呆気なく脱げて飛んでいってしまいます(で、その直後に地面や壁が待っている)。スネル規格のヘルメットをかぶりながら紐を締めない人も極稀にいるので気をつけて欲しいと思います(ノーヘルと変わりません)。
 また、アゴ紐を締めていると事故などの際にヘルメットが脱げようとして紐が首に引っかかり、首が折れたり絞まったりして危険という誤解も時々あるようですが、全くのデマです。ヘルメットをかぶって紐を締めれば分かりますが、脱げようとして引っかかるのは首ではなくアゴです。ですので、正しく着用したヘルメットの紐を締めていたのが原因で余計な怪我をするような事はありません(首かけヘルメットのような誤ったかぶりかたをしている場合は知りませんが)。
 という訳で、正しくかぶらなければ安全なヘルメットを持っていても何にもなりません。せっかくのヘルメットなのですから有効に使ってもらいたいと思います。もし万一、自分の周囲に間違った使い方をしている人がいれば、おせっかいを承知で「正しい使い方」と「間違った使い方をしている際のリスク」を教えてあげてください。


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