東 日 本 大 震 災

〜 遠く離れた 阪神・淡路より W 〜

四度目の東北
 被災地に何かがしたい。その気持ちは今も変わりません。被災地にはまだまだ支援が必要なことはわかっています。ただ、「猫の手も借りたい」という時期は過ぎており、個人で可能な支援を探すことは難しくなっています。
 そんな時、東北北部のツアーを発見しました。被害の少なかった地域中心ですが、4月に復旧した「北リアス鉄道」に乗れるということで、観光客として訪れることも東北への小さな支援と割り切り、4度目の東北です。


 三陸鉄道北リアス線
 秋田から青森へ、東北の観光地を巡る楽しい旅でした。今日はいよいよ被災地岩手に入ります。楽しむだけでなく、復興の歩みをシッカリ見て来ようというのがこの旅行の目的です。4月1日より、陸中野田から田野畑間の復旧が完了し、久慈から田野畑の運転が再開されました。地域の足として親しまれてきた三陸鉄道の運転再開は明るいニュースとなりました。
 北リアス線の起点、久慈駅は喜びにあふれています。ただ、隣のJR八戸線の久慈駅は少々淋しい様子でしたが…。
     
 三陸鉄道久慈駅  応援メッセージは各所に 駅では物産の販売もしています



 私たちのように、小さいながらも復興を支援しようと多くの観光客が訪れています。ただそれは一時的なもの。本当の意味で地域の足としての鉄道を取り戻さない限り、真の復興とは言えません。この一年余り、三陸鉄道の復旧を待ち望んだ人も多いけれど、仕方なくこの地を離れなければならなかった方もあったずです。一言に復興と言っても人様々。小さいけれど可能な支援を続けること。そして、東北をを忘れないこと。それが私たちにできることではないでしょうか。 
     
 幼稚園児を乗せた列車が到着 復興のシンボル「てをつな号」  降りることを忘れはしゃぐ園児たち


 いよいよ私たちの乗る「キット、ずっと号」がホームに入ってきました。車両を埋め尽くした支援メッセージは発車までのわずかな時間ではとても読み切ることはできません。その数えきれないメッセージから、多くの人たちが三陸鉄道を応援してくれているがわかります。そして、全国から寄せられた暖かい心に包まれて、三陸の旅をするのです。
     
「キット、ずっと号」 車両を彩る花びらはメッセージ 全国からの思いがこもっています
     
アイドルも応援です。  吊り広告の場所もメッセージ 運転再開のごあいさつ


 久慈駅を出発してしばらくは田園風景の拡がるローカル鉄道の旅です。しかし、陸中野田を出て、水門を通過すると景色は一変します。崩れたままの防潮堤、積み上げられたがれき。津波がすさまじかったことが伝わってきます。もう1年が過ぎたというのに、復興どころか、後片付けも終わっていないのです。それでも作業は進められています。列車の中から「ガンバレ!」と声をかけたい気持ちでした。
 水門を通過すると海岸へ  崩れたままの防潮堤 作業が続くがれき集積場

 列車からの眺めは津波に襲われた場所ばかりではありません。三陸の海岸を十分に楽しませてくれました。特に北リアス線の絶景スポットの「大沢橋梁」では列車を停車させ、ゆったりと写真を撮らせてくれました。急ぐ人には申し訳ないけれど、三陸を訪れる機会の少ない観光客にはありがたいサービスでした。
 
鉄道からの眺めは絶景 三陸にもあった夫婦岩  大沢橋梁からの眺め


 楽しんでいるうちに、列車は田野畑駅に着いてしまいました。ここから先の開通は決まっていません。このわずか2.2km先の島越駅とその周辺が大きな被害を受け、復興の目途が立っていないからです。錆びついたレールが淋しそうに続いています。ここから先も走れる日の来ることを祈りました。
 
田野畑に着いた三陸鉄道 ここから先は未開通です。 駅舎も車両と同じデザイン


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