そのまま玉ねぎコーナーに向かった頃の私は、すでにテンションが上がり過ぎていた。

じゃがいもと違い、玉ねぎは形が丸いため、なかなか上手くはいかなかったが、それでもなんとか積み上げに積み上げた後、私はどこのネジが吹っ飛んだのか、突然むんずと玉ねぎ1個を右手に握り、「これもいいですか?」とおばさんに聞いてしまった。

ビニール無視かっ。

でも、 「いいよ、いいよ〜。」とおばさん。

えっ?!いいの〜?!
こんなことなら、脇の下にも玉ねぎ挟んでみりゃ良かった…。
なんてバカなことを思いつつ、「あぁ、おもしろかった〜!」と帰ろうとする私の横では、まだ店のおばさんが、「はいはい〜!」とセロテープ片手に、右へ左へと狭いコーナーをウロウロしていた。