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アマデウス                                             
                         幼い頃から、音楽を愛し偉大な音楽家になることを夢見て神に愛を誓い
                         聖者のように生きて来たサリエリ、半強制的に父親から音楽教育を受け
                         豊かな才能を持つが、無軌道に生きるモーツァルト。
                         サリエリは、そのあまりにも素晴らしい才能を憎み、
                         神に仕えてきた自分になぜその才能が与えられなかったのか、と
                         神をものろうようになります。
                         しかし、時代がモーツァルトの才能についていけず、次第に自滅していく
                         モーツァルト。
                         それをさらにさまざまな手を使って追い詰めていくサリエリ。
                         モーツアルトは、とうとう病に伏してしまいます。
                         混沌とする意識の中で、サリエリ扮する父の亡霊に苦しめられながら
                         モーツァルトは、レクイエムを作曲するのです。
                         それを手助けするサリエリは、やはり、神が与えたモーツァルトの才能、
                         神の作りたもうた音楽の素晴らしさ、から逃れることはできないのでした。
                         
                         F.マーリー.エイブラハム(サリエリ)、トム.ハルス(モーツァルト)
                         ともに素晴らしい演技でしのぎを削りあいましたが
                         アカデミー賞を手に入れたのは、 F.マーリー.エイブラハムでした。
                         音楽もたっぷり堪能でき、完成度の高い映画だと思いました。
                                                  (1984 アメリカ)


                                        
 点子ちゃんとアントン        
                         1931年にケストナーによって書かれたこの物語は、長い間ずっと
                                      私の愛読書の1つでした。
                         お金持ちだけれど、忙しい両親にかまってもらえない点子ちゃん
                         お金もなくパパもいないけれど、暖かいママの愛に包まれているアントン
                         そんな二人は、大親友です。
                         アントンのママが病気になってアントンが困っているので何とか助けたい
                         点子ちゃんですが、パパもママも点子ちゃんの話に耳を傾けてくれません
                         そこで、点子ちゃんが思いついたことは?
                         お話は原作と少し違ってはいるものの、
                         ケストナーの伝えたいことはしっかり伝わってくるすばらしい映画です。
                         なんと言っても主人公の点子役のエレア.ガイスラーがとても素晴らしい
                         のです。
                         元気でお茶目でどんなつらいことでも跳ね返す強い力を持っている、
                         その生き生きした演技は、ちょっと疲れ気味の大人にもパワーを
                         与えてくれます。
                         カロリーヌ.リンク監督の女性ならではの視点にも共感できます。
                        
                         ヴィデオが出たら、ぜひもう1度見たい作品です。(1999,ドイツ)
                                       (2001,8月16日,アサヒシネマにて)
                                                                     
                                 http://www.tenko-anton.com/
                                                                     
                           
ギルバート.グレイプ         
                          過食症の母親 、知的障害の弟、姉、妹と暮らすギルバート。  
                         片田舎の小売店で働きながら、家族の面倒を見ている彼は        
                         家族に限りない愛を注ぎながらも、何か鬱屈しています。
                         そんな彼の前に現れたベッキーは、祖母とキャンピングカーで
                         旅をしながら暮らす自由な魅力あふれる女の子です。
                         そんなベッキーとギルバートの恋は、かなしいくらい
                         みずみずしく美しい。
                         暗くなりがちなストーリーを ラッセ.ハルストレム監督は
                         暖かい視線とユーモアでいつまでも心に残る映画に仕上げています。
                         2階のベッドの上で死んでしまった母親を家ごと燃やしてしまうシーンは
                         いろいろなしがらみから解き放たれた象徴のように思えます。

                         個人的には、ベッキー役のジュリエット.ルイスの魅力に
                         圧倒されました。              (1992,アメリカ)