収穫。


 必死に暴れて足掻き続ける少年を、ベッドの上に組み敷いた。
 束縛する手つきだけは丁寧に。傷ひとつ付けたりしない。ただし逃がすつもりは全く無かった。
 ようやく手の内に捕らえたものを、解放してやる気にはなれない。まとめた両手首を頭上でそろえ、右手だけで押さえ込んでうっとりと少年を見下ろした。睨みつけてくる潤んだ瞳には、いまだ反抗の意志が残っている。気概ある態度は好ましいが、邪魔だとも思う。適度の抵抗は興をそそるが、限度を越えて煽られすぎると無事に済ませてやれなくなる。
 気力を根こそぎ奪うほど酷く蹂躙するのは気が引けるが、拒絶の言葉は聞きたくなかった。よって左手で顎を捉えると、深く深く唇を奪う。舌を絡めて吸い上げれば、眼を見開きながら顔を背けようとする。そんな反抗を許せるはずもなく、左手に更に力を込めてると最後の一息まで呼吸を奪いとる。息が出来ない少年が、朦朧としてもがく力も弱まったところで唇をずらして空気を与え、咽るように酸素を得たのを確かめてはまた口内を貪った。
 やがてぐったりと投げ出された身体からは、右手を離しても抵抗は無い。たとえ暴れ出しても押さえ込む自信があるので、空いた手は素肌に滑らせる為に使うことにする。
 やっとのことで組み敷いたモノが、愛しくて大切でたまらない。
 手に入れるまでに長い時間をかけた手間暇の労苦も、この瞬間に報われたと感じる。
 今にも泣き出しそうだけど、怒ってもいる表情に、限りなく劣情を煽られる。
「いいかげんに……っ」
 嫌だ離せと訴えられて、むしろうっとりとして束縛の手を強める。どうして逃がしたり出来るだろう。欲しくて欲しくて気が狂ってしまいそう。いやもうとっくに狂ってしまっている。この少年を手に入れる為なら、どんな下衆な真似でも出来るだろう。
 開かせた足の間に身体を割り込ませ、膝を抱えて後ろに自身を突きつける。続く事態を悟った少年が、一気に血相を変えた。
「や、やだ、も……っ」
 怯えた眼差しを無視して慎ましく閉じた後ろの口を開かせ、ずぶずぶと奥深くへと飲み込ませていく。少年は激痛に身を強張らせ、喉から掠れた悲鳴が零れた。
 無茶をしている自覚はあるが、こうして深くまで己を刻み付けることだけが、自身の激情を静める唯一有効な手段に思える。最期の一息まで奪われるよりは良かろうと、そう告げても彼はどちらも嫌がるだろうが。ゆっくりと、やがて激しく身体を揺らし続ければ、絶え絶えに上がる鳴き声に笑みが洩れる。
 ずっとこういう声が聞きたかったのだ。何も隠すことが出来ずに、すべてをさらけだしながら鳴く姿が見たかった。自分だけを感じて、自分だけに応える姿を求めていた。

 ふと「愛している」と囁きそうになって。
 あまりに自分に似合わないので、笑いながら口を閉ざした。
《終》


裏にGBが無いのはどうだろうと思いたち、
某所からサルベージ。
こういう中途半端な話が好きなんですスミマセン。