先日、全日本プロレスのファン感謝デーにて、百田光雄選手がデビュー29年目にして日本では初めてのメインイベントのリングに上がりました。 同じく長らく前座戦線を賑わしていた永源遥選手もメインのリングに上がり、普段とは一味違った熱いファイトで観客を大いに沸かせました。 また、渕選手も久しぶりにシングルマッチを行い、ジュニアのホープ・志賀選手を鬼のようにいたぶり、存分に存在感を示しました。
百田選手や永源選手は、この日のために、いつもよりも多めの練習をこなしていたそうです。これはG馬場選手が還暦記念試合に臨んだ時と同じ状況です。
さてここでブルーザー・ブロディのセリフを引用しますと、 つまり、百田選手や永源選手は一晩だけ(ファン感謝デーのみ)なら熱い試合は出来ますが、それを3日連続でやれと言われれば、それは年齢的に無理なわけです。
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今年(といってもまだ9月半ばですが)のプロレス界で、最も大きな飛躍を果たした選手といえば、私は全日本の大森隆男を挙げます。 対抗としては新日本の中西学でしょうか?
アックスボンバーとは言うまでもなくハルク・ホーガンのオリジナル技です。スタン・ハンセンのラリアットが流行し出していた頃に、ホーガンはその亜流とも言うべきアックスボンバーを考案しました。ラリアットは肘の内側で相手の首を掻っ切るのですが、アックスボンバーは肘をほぼ90度に曲げて(古館アナの“三つ又の槍”という名フレーズもあります)相手の顔面を殴りつけます。
日本人の中では大型の大森が腕をぶん回し、相手の顔面を殴りつける様には、爽快感があります。
高山と二人でやる「ノー、フィアーー!!」にしても、ゴールデンカップスと新日的コメントが混ざっただけで、初めのうちは冷ややかな目で見られていましたが、一途に(?)続けたことで、こちらも完全に定着しています。 今年の1月31日にジャイアント馬場さんが亡くなり、その出棺の時に、一番泣いていたのが大森でした。馬場さんは常に秋山のライバルには大森しかいないというような趣旨の発言をしていましたが、なかなか期待に応えることはできていませんでした。 しかし、前の武道館では「秋山vs大森」が見事に武道館のメインを飾りました。内容的にも十分の好試合だったと思います。
「もう少し早く、今みたいになってればな…」
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プロレス界には夢の対決と呼ばれるカードがたくさん眠っています。 ついぞや幻となってしまったジャイアント馬場vsアントニオ猪木(猪木寛二時代には実現しているが)、ジャンボ鶴田vs藤波爾巳などもあります。
さて今年の上半期に、私が今最も見たいなと思ったのが天龍vsベイダーです。
天龍は全日本出身。ベイダーは新日本で名を挙げた選手。そして今の活躍の場は天龍は新日本、ベイダーは全日本です。
天龍といえば、鶴田や長州との戦いも強烈な印象を残しています。その一方で、ブロディやハンセン、ホーガン、そしてレスリングサミットでの伝説的なサベージ戦など、外国人選手とも数多くの名勝負を残しています。
一方のベイダーは猪木、藤波、橋本、高田などどちらかというと日本人選手との名勝負の多い選手です。新天地・全日本で昨年から大暴れしていますが、三沢戦や小橋戦は名勝負の名に恥じない試合です。
二人とも直線的(と言うと語弊があるかもしれませんが…)な攻めと、決して後ろに引かないファイトを身上としています。
今のところ実現の可能性は極めて低いこのカード、あなたは見てみたいと思いませんか?
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(※フォントは小さ目のほうが見やすいです)。 ブレット・ハートとショーン・マイケルズ。 これはホーガン離脱後のWWFのトップの座をめぐって政治力でも試合の勝敗でも争ってきたまさにライバルです。 さて、この二人の一騎打ちはPPVのメインでは三回実現しています。その試合結果は
となっています。当然すべての試合にWWF世界ヘビー級が賭けられています。 では順番に3つの試合を見ていきましょう。
1、 さて試合ですが、この頃のHBKはまだスウィート・チン・ミュージックを完成させておらず、ヒットマンがシャープ・シューターで完勝しています。
試合は乱入や凶器などは一切使用せず、また、無意味な膠着などもありません。純粋にレスリングだけで60分を超える試合を作ってみせたのです。あらためて二人のレスリングセンス・テクニックについて感服させられる内容でした。
ヒットマンはマクマホンに唾を吐き、控え室では強烈に一発殴ったそうです。この辺りの経緯はヒットマン主演の映画「レスリング ウィズ シャドウズ」に克明に映されています。
結局、ヒットマンvsHBKというのは、ホーガンによるアメコミ調のプロレスと、ストーンコールドとマクマホンJr.による連続ドラマプロレスとの間で生まれた純粋なレスリングで見せるプロレスなのでしょう。
現在、ストーンコールド人気で繁栄しているWWFですが、私にとっては、ヒットマンとHBKのいないWWFのリングというのは寂しく感じられます。
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