世界最高のレスラー



世界最高のレスラー



「世界最高のレスラーは誰だ?」
これは何とも漠然として、掴み所が無く、けれども夢がある疑問ですよね。「プロレス史上一番強いのは誰だ?」とか「もしジュニアの選手がもう少し体が大きければどうなってる?」等と同じ次元の疑問でしょう。

漠然として、掴み所が無く、夢があるこの疑問。でも私は断言します。
「世界最高のレスラーはブレット・ハートである!」と。

以下に、私がそう考える理由を述べます。

理由その1 : ずば抜けたレスリングセンスを持っている。
ヒットマンは実に基本に忠実なレスラーです。
必要以上にムダな動きやパフォーマンスをしません。技の一発一発は的確(技のキレという点でヒットマンに敵うものはいません)。試合の組み立ては抜群にうまい。技のミスはまずしない。相手をフォールする固め方や、ロープワークなどの細かい点でも申し分ない。派手な技は雪崩式ブレーンバスターくらい。
それでも試合中は常に魅せてくれます。大技乱発の傾向がある現在の日本プロレス界も見習って欲しいくらいです。このようなことが可能なのは、プロレス界のサラブレッドであるヒットマンのレスリングセンスが成せることなのでしょう。

理由その2 : アメリカでの実績がある。
御存知のように、ヒットマンは主にアメリカのWWFで活躍していた選手です。アメリカでトップに立つためにはレスリングの実力だけではなれません。
スター性やカリスマ性、さらに自分の体調管理(WWFは非常にハードスケジュール)にも長けていなければなりません。これらをヒットマンが兼ね備えていることはニューヨークでトップになったことが証明しています。

理由その3 : 万国共通のテクニックの持ち主である。
ヒットマンのスタイルは日本でもアメリカでもヨーロッパでも通用するものです。これは、ヒットマンが生まれ育ったカナダというのは、アメリカとイギリスと日本のプロレスが絶妙にブレンドされた土地である、というのがそうなった理由の一つでしょう。ま、流石にルチャ・リブレに対応できるとは思えませんが…。そういう点ではライガーやエディ・ゲレロの方が上と言えます。

以上の理由より(理由3は少し弱いですが)、私はヒットマンこそ世界最高のレスラーだと思います。でも、ちょっと頭が固そうなのが欠点と言えば欠点かも……。




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WWFプロレスと小島プロレス



WWFのプロレスと小島聡のプロレス。一見すると、何の接点もないようですが、私は、この二つのプロレスには大きな共通点があると思います。その共通点とは

「頭をカラッポにして見るプロレス」

である、という点です。

凄まじい演出とストーリーで見るものを圧倒するWWF。一度見出すと毎週見ざるをえないような面白さがあります。
「何でそんなところにカメラマンがいるんだ!?」とか「結局は勧善懲悪で終わるんだよな」等、アラを探そうと思えばいくらでも探せます。しかし、そういった余計な思考回路を吹き飛ばしてしまうだけのパワーを持っています。
日本でそのままやっても通用するかどうかは分かりませんが、CS放送で輸入という形で見る限りは、底抜けの面白さを持っているといえるでしょう。

一方の小島聡のプロレス。これは
「オレの頭はカラッポだ! だからお前らも頭をカラッポにして見ろ!!」というプロレスです。
頭をカラッポにして見てれば、それなりに面白いです。小島は元気いいし、声も大きいから。でもコジMAXホールドはいただけないです。手抜きしてるようにしか見えないから。あと、あのヘタクソなダイヤモンド・カッターもやめて欲しい。
ま、それはさておき小島のボディランゲージを信じて見ていれば面白いです、小島プロレスも。ところが、ちょっと引いて見てみると、ただのバカにしか見えません。プロレスの深みや多様性を全く否定しているプロレスです。これではちょっと観戦歴の長い人には通用しません。

以上をまとめると、私の意見は
「WWFと小島聡は頭をカラッポにすると楽しめるプロレスである。WWFはこちらの頭を無理矢理にでもカラッポにさせてくれるが、小島聡はこちらの頭をカラッポにさせるほどのパワーはない」
ということです。

ちなみに『小島』という部分を『天山』、『中西』、『永田』と変えてもほぼ正しい文になってしまいます。第三世代はみんなあんなキャラクターです。新日本の将来が少し心配な私です。

だから、西村、頑張って復帰してくれ。



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カルガリースタイル



先日、不慮の事故でなくなったオーエン・ハート選手は、カナダのカルガリー出身でした。

現在は、カナダもプロレス不毛の地になってしまいましたが(WWFとWCWが定期的に訪れているのみ)、一昔前はスチュ・ハートという名レスラー兼名プロモーターによって、一大勢力が築かれていました。そして、このスチュ・ハートが主催していたのがカナダのハート道場で、ここでは多くの名レスラーが巣立っていきました。

スチュには8人の息子がいましたが、全員が一度は一度はレスラーになっています(ただ今も現役なのはブレット・ハートだけになってしまいました)。
またダイナマイト・キッド、 デイビーボーイ・スミスはイギリス経由でカナダにやってきました。
日本からも馳浩、 平田淳嗣、 佐々木健介、 ライガー等、主に新日本のレスラーが長期滞在をしました。逆に、カナダのハート道場で基礎を学んでから新日本に留学してきたという珍しいパターンにクリス・ベノイがいます。

さて、この道場出身者は大まかにレスラーとしては「身体は大きくないが、素早いグランドテクニックとキレのある鋭い技を持ち、確実な受け身をとれる」というタイプが多いです。『体の小さい万能タイプ』とでも言えるでしょうか?最も典型的な例がダイナマイト・キッドでしょう。現役ではブレット・ハートとクリス・ベノイが双璧といえます。

また、得意技が似てくるのも特徴で、「相手の首を両手で捕まえてのヘッドバット」「抱え上げ式(ドリー・ファンクJr.式)のバックドロップ」「首に巻きつくようなラリアット」「スピード感溢れるペンジュラム・バックブリーカー」等は、多くの人がが得意技としています。

それと、試合の展開の仕方も似ており、いきなり大技を使ったりはせず、序盤は「腕を極める(アームロックやハンマーロック)」→「ロープに振る」→「ロープを使った攻防」→「アームホイップ」→「再び腕を極める」という展開を何度か繰り返し、試合を徐々に盛り上げていきます。

このように、カルガリー出身者は基礎に立った、ベーシックなレスリングを見せてくれるので、マニア層にファンも多いですし、古き良きプロレスを守るという意味でも重要な意味を持ってます。

しかし、残念ながらハート道場は既に閉鎖されています。
道場主であったスチュ・ハートやコーチを務めていたミスター・ヒト、 ケンドー・ナガサキの志を受け継いだレスラーは現在も多く活躍していますが、いつの時代にも光り続けるこのカルガリースタイルがマット界から消えるようなことがあってはいけないと思います。

私は、オーエンの死を聞いたときこのようなことを考えました。



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