アメプロの世界でフィニッシュホールドの重要性はいまさら述べるまでもありませんが、かと言ってフィニッシュ技だけではプロレスの試合は作れません。 今回は、ヒットマンとHBKの持ち技を見ていきたいと思います。
また、いわゆる繋ぎ技として使っているヘッドバット、エルボースマッシュ、ギロチンドロップ、エルボードロップ、ストマックパンチなども、手を抜くことなく確実に決めますし、回転エビ固め、フライングボディアタック、ジャーマンスープレックスなどのたまにしか使わない技でも、極めて正確に技を決めてきます。
こうして見ていくと、ハッキリ言って文句のつけようがありません。
一つ目は「パンチ」です。
二つ目は「カウンターのキック」です。
フライングフォーアーム、ムーンサルトアタック、ダイビングエルボードロップ、パイルドライバー、足4の字固め、などがフィニッシュにもなりうる技として挙げられます。
さてそんなHBKもWM12のアイアンマンマッチでは、珍しい技をいくつか披露してくれました。フィッシャーマンズスープレックス、ドクターボム、腕ひしぎ逆十字固めなどなど。 いざとなれば、こういうクラシックな技を使うことが出来るという点が、HBKの奥深さの一つであると思います。
まずはヒットマンが使うラリアットについて。ラリアットというと最近はむやみに乱発するだけの選手が多いのですが、ヒットマンはラリアットの後(たいていは)素早くスリーパーホールドに捕らえます。ラリアットとスリーパーの間が極端に短いのが特徴で、実に理に適っています。
HBKは「素早くお互いの技を何度か返していった末に、ドーンと技が決まる」という流れを得意としていました。
|
フランケンシュタイナー(以下、FS)という技が日本で初公開されたのは、91年3月21日東京ドームでのことです。技を掛けたのは“元祖”スコット・スタイナーで、犠牲者第一号は佐々木健介でした。 スコットはFSを89年にWCW入りした頃から使っていましたが、この日本初公開は実に衝撃的で、以後FSはスコットの代名詞的技となりました。 FSという名前も、妖怪のフランケンシュタインとスコットの姓のスタイナーをかけたものだそうです(何故、フランケンシュタインなのかは不明ですが…)。
私が、元祖スコット以外で名手に挙げたいのはハヤブサです。
スコットのFSでは、足を相手の首に巻き付けた後、半ば“ひとりパワーボム”の格好で受身を取り、そこから脚力を使って相手をマットに叩きつけます。ちょうど三沢の“投げ捨てジャーマンに対する受身”のような体勢(分かりにくいですかね?)です。つまり技を掛ける方も多大なダメージを被るのがFSという技なのです。
確かに似た技ですのでなかなか区別がつきにくいですが、大前提として「ウラカン・ラナは変形回転エビ固め、FSは変形フライングヘッドシサーズ」ということが言えます。
相手の首に両足を巻き付けるところまでは同じです。 余談ですが、元々ウラカン・ラナという技は、掛ける方が肩車から前方回転してエビに固める技で(キン肉マンという漫画でメキシカン・ローリングクラッチホールドと呼ばれていた)、ここで議題にしているウラカン・ラナはウラカン・ラナ・インディベルダ(インディベルダとは英語で“リバース”)というのが正式名称なのだそうです。
企画・協力 城ありさ
|
アメリカのプロレスでは、いい試合をするだけでは生き残れません。レスラーとしての技量以外に必要なものとして、キャラクター・マイクアピール・ギミックなどが挙げられます。 ヒットマンとHBKのリング内外でのパフォーマンスについて見てみましょう。
マイクアピールですが、二人とも見かけによらず(?)野太い声で、なまりも入ってるそうなので(ヒットマンはカナダなまり、HBKは南部なまり)、私のように英語の苦手な日本人にとってはあまり聞き取り易い声ではないでしょうね。
ヒットマンには地味という評価が一般的にされていますが、ピンクとブラックのコスチュームに身を包み、サングラス(ヒットマン・シェードといいます)をビシッとつけての入場シーンは、なかなか派手であったと思います。 また、HBKは試合中のパフォーマンスとして、リッキー・フジやダニー・クロファットが得意な(?)タイツずらしをよくやっていました。こういうパフォーマンスは、ヒットマンなら絶っっ対にやらなかったことですね。
一方のHBKは“おちゃらけ路線”が得意ですし、なんとなく軟派な雰囲気のある選手です。
|