全日本分裂、その1



三沢光晴が大量の選手・スタッフを引き連れて全日本を離脱。新団体を結成することとなりました。
これまでにも、全日本が三沢派と元子派に分裂するのでは? という噂は流れていましたが、それが現実となったわけです。

さて、噂の時点では、元子派は百田・田上・川田、 三沢派は小橋・秋山・若手の多数、 というのが一般的に言われていることでした。
しかし実際は、全日本に残留するのは川田・渕のみということになりました。日本人選手が2人では、できることのタカが知れています。創立27年目の全日本プロレスは存続の危機にあります。


これほどの大量離脱になるとは意外でした。
三沢の人望か、あるいはよほど前々からうまく根回しをしていたか、のどちらかでしょう。



川田が全日本に残留した理由として、本人は「全日本という馬場さんが作ってきた名前を、捨て切れないというのがあった」と言っています。
川田が初めてチャンピオンカーニバルを制したのは94年。そのときリング上でのインタビューで「馬場さんも優勝したことのある大会で、優勝できて光栄です」と言いました。
また、同年初めて三冠を奪取した時には「挑戦権を与えてくれた社長に感謝します」と言って、試合後には真っ先に馬場の所へ報告に行っています。
さらにUインターに出場した高山との試合後には、「まずは(他団体出場の)機会を与えてくれた社長に感謝したい」と言っています。
これらから分かるように、川田の馬場に対する思いは相当に強く、それが全日本を捨てられなかった理由であるというのは間違いないでしょう。

今後は新日本に上がる可能性が高いようですが、新日本が何にも増して優先するのは「ドームを一杯にすること」です。Uインターの高田が最も顕著な例ですね。半年の間で3回ドームのメインを張って、インパクトが無くなるとそれっきりですから。
川田というレスラーをこれまで見てきたからこそ、新日本のドーム要員に成り下がって欲しくないです。



この問題は当分尾を引きそうなので、随時このコラムでも取り上げたいと思います。



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FMW、どこへ行く?



今、三沢の社長解任・全日本退団が何かと話題ですが、その少し前に、大きく揺れいてた団体がFMWです。

邪道・外道・金村の3人が契約問題で揺れていたようですし(結局は契約は更改した)、田中将斗との契約問題も解決していません。
また、ECWとトラブっているサブゥーを呼んだことから、ECWとの関係も悪化してしまいました。



FMWの歴史を大雑把に言うと、「大仁田時代」「新生FMW」「エンターテイメント」の3つになります。

私は新生FMW時代のハヤブサ・グラジ・田中達の試合を見て、FMWに注目するようになったのですが、あの頃FMWが目指していたのは「全日本」でした。
大仁田が始めたストリートファイトマッチや新生時代のレスリングスタイルを理想としている選手達が、現在のエンターテイメント路線と折り合いが合わないのは当然といえば当然のことでしょう。

今のFMWは明らかにWWFを意識していますが、舞台装置が安っぽかったり、選手が大根役者だったり、日本の観客がWWFのノリを理解できなかったり、とあまり評価できません。
実に中途半端なモノマネに終わってしまっているのです。


個人的には冬木という選手の頭のスマートさは好きなんですが、団体運営で全権を握るのはどうかと思います。
というのも、彼は色々と話題を作り出すのが上手いのですが、その全てが東スポとの提携(?)によって成り立っています。
また話題の内容も、どうにも小ネタじみたものが多くて、東スポの紙面や後楽園ホールは賑わすことが出来ても、プロレス界全体を飲み込むムーブメント、ひいては社会現象などは到底期待できません。

じゃあ、今後はどういう路線にすればいいのか? と、私に聞かれてもハッキリとした答えはないのですが……。スポンサーだったディレクTVが無くなったわけですから、これからは一般層を意識するよりは、純然たるプロレスファンを振り向かせるような努力をすべきだと思います。
その一番手っ取り早い方法は、他団体に打って出ることでしょう。三沢の新団体とくっつくとか、大日本と本格的に全面対抗戦をするとか。


選手層では新日本・全日本系に継ぐ業界No.3であることは間違いないだけに、その選手達が実力通りの活躍を出来るように、期待したいです。



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新日6・9観戦記



6月9日(金)新日本 大阪市中央体育会大会の観戦記です。
(※フォントは小さ目のほうが見やすいです)


この大会は、スーパージュニアの最終戦でした。
リーグ戦の結果は下の表の通り。
同点の場合は、直接対決で勝っている方が上の順位とされたようですね。

_Aブロック







金本浩二××
高岩竜一×
エル・サムライ×××
真壁伸也××××
D・ワグナーJr.×××
グラン浜田××
_
_
_
_
Bブロック





大谷普二郎10
ケンドー・カシン××
田中稔××
藤田穣××××
臼田勝美×××
キッド・ロメオ××××



第一試合
鈴木健三
柴田勝頼
(バックドロップ) 安田忠夫
棚橋弘至
×

普通の第一試合でした。
開始早々に柴田と棚橋が素早いグランドの動きを見せたのがヤングライオンらしかったですね。



第二試合
絶対順位決定戦
○真壁伸也(ジャーマン)藤田譲×

さて、このジュニアリーグ絶対順位決定戦とは、AブロックとBブロックの同じ順位の者がシングルを行い、両ブロック通算の順位を決めるというもの。つまり、5位同士が戦えば、勝った方が絶対順位で9位・負けた方が10位となるわけです。
この試合は“最下位決定戦”となったわけですが、なかなかの好勝負でした。特に藤田の動きがよかったです、最終戦だというのに大したものですね。体格のハンデを見事に埋めてました。フィニッシュとなった真壁のジャーマンも素晴らしかったです。



第三試合
絶対順位決定戦
○D・ワグナーJr.(みちのくドライバー2)ロメオ×

2年前には同じ会場で決勝戦を戦ったワグナーにしてみれば、何とも不本意な成績だったでしょう。
ロメオくんは、試合前にちゃんとネックレスを外してました。やっぱTVマッチの時(vs藤田戦)に付けてたのを、マサさんとかに怒られたんでしょうね。
試合は、ワグナーの完勝。少々役者が違いました。



第四試合
絶対順位決定戦
○E・サムライ(雪崩式リバースDDT)臼田勝美×

急遽参戦が決定した臼田が2勝どまりだったのは、期待していただけにちょっとガッカリです。
昔にFMWにマスクマンで参戦した頃のようなファイトを想像していたら、思いっきりバトラーツスタイルでした。
「関節技をかける ―> 痛がりながらロープへ」という動きが妙に多くて、試合としてはイマイチ。最後はエグ〜〜イ技で、サムライの勝利。



第五試合
絶対順位決定戦
×金本浩二(足取り逆十字固め)ケンドー・カシン○

去年の優勝戦が5位決定戦になるという何とも豪勢なカード。
カシンが雪崩式のダイヤモンドダスト(たぶん)を出すなど、普段と違う動きもありましたが、7分少々の試合時間では少し物足りなかったです。
この絶対順位決定戦では、選手は集中力を高めにくかったのかもしれませんね(悪く言うと、消化試合みたいだった)。



第六試合
絶対順位決定戦
×グラン浜田(膝十字固め)田中稔○

他団体の選手同士による3位決定戦。
浜田のエネルギッシュな動きは、本当に見る度に驚かされます。が、田中が相手ではルチャの動きも出しにくかったようで、最後は田中の執拗な膝十字の前に破れました。



第七試合
× 中西学
永田裕二
吉江豊
(スリーパー) 越中詩郎
平田淳嗣
飯塚高史

この試合はすごく面白かったです。
なぜか越中が大人気で、それに気をよくしたのか開始早々にヒップアタックを出して、客席は一気に盛り上がってました。
他にウケていたのが中西。ひとつひとつの動きに失笑と声援が混じったような歓声が上がっていました。動きが独特だし、体が大きいから目立てるんでしょうね。辻アナに使って以来、アイアンクローもレパートリーに加えたようだし、越中のヒップアタックを受けとめてアルゼンチンに決めたあたりは見事でした。
最後は飯塚が吉江をスリーパーで仕留めました。ところで、吉江ってG-EGGSに似合いませんよね、スタイル的に。天山・小島とくっついた方がいいような気がします。



第八試合
蝶野正洋
天山広吉
小島聡
(ラリアット) 佐々木健介
西村修
ライガー
×

今シリーズに復帰した西村の試合です。
が、開始早々に蝶野がマイクを持ち、「お前ら3人じゃ相手にならねぇ、(セコンドも入れて)全員でやるぞ! 全面対決だ! エーッ!」みたいなことを言って、試合前に両軍のセコンドが暴れてました。テレビがあると、こういうことするんですね。
セコンドが去った後は、普通の6人タッグ。当然西村に注目していたのですが、取り立てていい動きでもなく、悪い動きでもなく。他の5人の流れに付いていっているだけでした。
小島がラリアットで西村から3カウント奪取。試合後も西村に何か言ってました。どうやら小島は西村のライバルに立候補しているようですね。



第九試合
ジュニアリーグ戦・優勝決定戦
×大谷晋二郎(ラリアット連発)高岩竜一○

両者ともIWGPジュニアタッグのベルトを巻いてリングへ。
開始早々高岩がデスバレー! 私は「2.9で返すだろう」と思ったのですが、大谷は2.99で返し、いきなりどよめきが起こりました。
あとはドッシリとした試合。多分、この日初めてですね、こういうコッテリした試合は。
どちらかというと、「大谷が勝つんじゃねーの」という見方が多かった気がする(私もそうでした)のですが、最後は前後からのラリアット連発で高岩の勝ち。大谷はドラゴンスープレックスホールドを出せなかった(投げっ放しは出した)のが敗因でしょうか。



いろいろ総括
私はこの日のチケットは、当初、初来日が予定されていたビリー・キッドマンのために買いました。が、御存知のように来日は中止。キッドマンが忙しいのは分かりますが、フゥーベント・ゲレラまで来日中止というのは、新日本がWCWになめられている証拠でしょうね。
まあ西村も見れましたし、ジュニアのシングルがたくさん見れたのはよかったですけど(例年だと、2位以下は10人タッグとかになりますから)。
最後にいい話を。近くにいた見知らぬ女性のファンの方、試合の度に「男前」な方を大声で応援していました。棚橋、藤田、田中、西村、大谷、といった具合ですね。が、第五試合のカシンvs金本では、なぜかカシンを応援していました。「何でマスクマンの方が男前なの?」。この日の晩、これが気になって眠れませんでした。って、別にいい話でもないですね(笑)。



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WCWサンダーに期待



GAORAで8年間に渡り放送された「WCWワールドワイド」が今年の5月いっぱいで放送終了となり、代わりとして「WCWサンダー」という番組が6月から放送開始となりました。


私事で恐縮ですが、私は、関西在住のため、全日本中継が以前より1週間遅れるようになり(関東で水曜放送となった余波)、また、ケーブルテレビ加入のため、WWFの番組が7月からHeatしか見れなくなるという環境にあります。
非常に悲しい現実です。
よって、この「サンダー」には期待大なわけです。



以下、第一回を見た感想を書きます。

まず驚いたのは、解説者が変わっていたこと。ウォーリー山口さんになっていました。
まあ、アメプロ事情に詳しいことや、英語が堪能なこと(字幕もなければ、日本語訳の用意もされていなかった)を考えれば、適任者であるとは言えるかもしれませんね。


番組を見終わった時の感想は、
あれだけたくさんの選手がいれば、2時間でも詰め込まなきゃ全員出れないだろうな」
となりました。

最後の方にはマッチョマンとヒットマンも出てきましたし、ホーガン・フレアー・スティング・JJ・DDP・キッドマン・スタイナー・ダグラス、そしてビンス・ルッソーはほぼ出ずっぱり状態でした。
これだけの選手にそれなりに活躍の場を与えようとすると、2時間でも足りなくなるのは当たり前と言えるでしょう。

また、さりげなくハクソー・ジム・ドゥガンとディスコ・インフェルノが生き残っていたのは嬉しかったですね(笑)。
逆に、マイク・オゥサムが弱小扱いだったのは非常に遺憾です。



それから、肝心の試合部分についてですが、全試合NYスタイル(だったかな?)という反則なしで選手自らがカウントを数えるという独特なルールでやってました。レフェリーが不在ですので、試合結果に関して驚くほど無頓着でした。
ベルトの価値も、試合に多少の重みをつけるだけという風になっているようですので、現在のWCWはかなりエンターテイメント色の強い路線をしいているということになります。



第一回を見た限りでは、可もなく不可もなくといったところですが、まだゴールドバーグの復帰というのがありますので(ルッソーが最初に監督権を持った時、ゴールドバーグ・ヒットマン・ベノワを大いにプッシュした)今後も見続けていきたいと思います。



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