21世紀紀行 (予測展望)



第一回ヒールレスラーよ、蘇れ!!

written by DJ TAKO

はっきり言おう、我が輩が今年期待し、必ずブレイクするであろうレスラーは、我が輩的にノーフィアーである。 全日崩壊により、今年のタッグチーム賞を逃したという見方はあるが、大森vs橋本戦を見る限り、今の蝶野の様な、かつての長州の様な人気を呼びそうだ。(橋本戦後の大森はかなりの声援を受けていた。)しかも、彼らは、現在のプロレス界において、かなりの大型レスラーであり、大森のルックス、高山のファッションセンス、そして、ヒールを漂わせる悪い雰囲気。 ブレイクするには要素がつまり込んでいる。 全日系ファンからすると、秋山が期待の星らしいが、新日系は、どうしてもノーフィアーと言いたくなる。 ZERO-ONEの規模拡大が決定的となった今、おそらくZERO vs ノーフィアーとの対戦がNOAHマットでの目玉となりそうだ。しかし、蝶野の様に、ヒールレスラーから絶大の人気を誇るレスラーに転身した例は何も珍しくない。例えば、アメリカマット。今、アメリカのプロレスファンのみならず、アメリカのスーパーヒーローである、スティーブ・オースチン、ロックなんかも、ブレイクする前はヒールレスラーだった。 N・W・Oにしてもホーガンがヒールに転向したからブレイクした。今のアメプロは、言ってみれば、プロレス版トレンディードラマだ。 それゆえ、ベビーフェイスしか出来ない奴、ヒールしか出来ない奴は淘汰されるのだ。いい例がベイダーだ。彼は、凄いテクニックとパワーの持ち主だ。しかし、彼の顔はヒールレスラー以外何物でもない。ベビーフェイスとしての顔を持てないベイダーは飽きられる。 ただ、それ以上にファンはヒールを望んでいるのかもしれない。 ここで言うヒールは、必ずしも悪い奴とは限らない。(悪い人間はいないに越した事は無い。) 言ってみれば道から外れた人間なのかもしれない。 普通の人間からするとそういう人たちは最初、ブーイングを飛ばす様な嫌な奴かもしれない。 しかし、ファンはその反面そういう人に憧れてるのかもしれない。いざ、ピンチになった時頼れるのは意外とこういう人たちなのかもしれないファンは期待してしまう。長州や蝶野はそうやって人気を得たのだと思うし、今のノーフィアーにも期待する。(ついでに言っておくが、昔、日本人がアメリカでトップのドル箱クラスの選手になるには、ヒールレスラーになる事が一番手っとり早かった。ムタもそうだし、昔のマサ斉藤や、キラーカン、カブキなんかもヒールになる事で、アメリカと言う国で成功を納めた。ヒールというポジションはひとえに馬鹿にはできない。)

世間が知ってる有名なレスラーといえば、力道山、猪木、馬場だろう。この中で、生涯ベビーフェイスだったのは馬場だけだった。猪木は、ヒール(時として。)、力道山はベビーフェイスかもしれんが、彼の死後、話を聞くとどうも大仁田的なヒールだったみたい。間違った事でも正しいとごり押しする辺りが。 そしてちょっと前のマット界は、そういうヒールレスラーがいなかった、特にメジャー団体は。新日は長州が第二の自分を作らない為に”ヒール” レスラーはいなかった。しかし、これは批判の様でそうではない、長州力が二人いても面白くない、そしてちょっとした圧力にも耐えられる”ヒールレスラー”こそ、時代の睨んだのではないか? しょせん、長州の物真似をした連中は、技術的に優れていても、全盛期の”ヒール” 長州力ではなかった。実際に時代の流れに反してヒールの道に進んだ、蝶野だけが時代を握った。しかし、もう一つのメジャー団体が問題だ。彼らの中では、”ヒール”=”外国人”というちょっとした概念が今でも流れている。 最近、全日本の実権は、馬場が生きている段階から、馬場元子が握っていたらしい。つまり、この古臭いマッチメークはほとんど、馬場元子がやっていたに等しい。日本人は、ベビーフェイスでなければならないという概念で動いている、つまり、道があり、それにそれるなという事。 自分で強いたわけでも無いのに勝手にしかれているわけである。つまり、全日本に入団した選手は、普通の優秀なサラリーマンととらえて結構だ。ジャパンプロレスの長州や、高山なんて、馬場元子からすれば、汚物以外にはみえないんだろうな。(ちなみに、高山の全日入団は、G・馬場の願いだったらしい。)実際、高山なんかは、全日の試合から大きく外れる試合をやってのけた。 それを見た、馬場元子が強権政治を始めたと言うのが、分裂の真相らしい。だが、もし世の中が普通の人間ばっかだったらどうする? 凄くつまらないだろう、絶対におかしい奴、道から外れた人間が必要になってくる。 (かといって、おかしい奴ばっかだとつまらない。) 本来普通人間の蝶野が、ヒールに転向したのも、その当時のベビーフェイスレスラーばっかのプロレス界での危機感からだと思う。試合を見に行って興奮して、喜んでばっかりいるプロレスって面白い? たまには怒ったり、落胆したり、ブーイングするのもプロレスかなと思う。だから、外人がベビーフェイスで、日本人がヒールでもいいじゃないか。もし、ベビーフェイスレスラー重視のプロレスなら、プロレスは間違いなく落ち込むと言っておこう。



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