2004年2月6日、WWE大阪城ホール大会の観戦記です。
今回の来日メンバーはロウブランドの選手たちで、2月5日に広島、2月7日には埼玉という3連戦の中日ということになります。
最近はWWEもほとんど見なくなっているのですが、ショーン・マイケルズが来日するということで(日本で試合をするのはSWS以来)、観戦を決意しました。
第1試合
○ |
リコ(with ゲイダ) リタ |
|
マット・ハーディー モーリー・ホーリー |
× |
第1試合はミックスドマッチでした。リタとマットは因縁のある関係ですが、その点が特に強調されることはなく、純粋なミックスドマッチとなりました。リコは盛んに「モミアゲ」コールを受けており、本人が意味を理解をしていたのかは不明ですが、機嫌よく試合をしていたようです。一番目立っていたのもリコでしたが、最後はリタのDDTでフィニッシュ。
第2試合
○ケイン(チョークスラム)ハリケーン×
あまりに体格差のある二人のシングルマッチ。元々この大会でケインは、ショーン・マイケルズとの試合が予定されていたのですが、カードの変更によりハリケーンとのシングルマッチとなりました。ハリケーンがそこそこ健闘するが最後はチョークスラムで沈められるという予想通りの内容。
第3試合・タッグタイトル戦
○ |
リック・フレアー バティスタ |
(スパインバスター) |
ババレイ・ダッドリー ディーボーン・ダッドリー |
× |
フレアー&バティスタの師弟コンビと、日本的な試合もできるダッドリーズとのタイトルマッチです。ダッドリーズにも声援が多かったのですが、この試合に関してはフレアーの一人勝ちでした。随所に巧さと定番ムーブをちりばめ、自身のレパートリーのほぼ全てを披露するくらいにノリノリでした。そんなわけで、他の3人は特に目立てず、特にバティスタはフィニッシュ以外は何にもできていませんでした。フレアーの千両役者振りが全く衰えないのには、尊敬の念さえ抱きます。
第4試合・ICタイトル戦
○ランディー・オートン(RKO)クリス・ジェリコ×
かつてよく来日していたジェリコは、驚くほどのベビーフェース人気を得ていました。ま、客席から「ライオン道!」と声がかかった際には、少しムッとしたような反応をしていましたが(笑)。
試合内容はかなり日本的な、大技をバンバン応酬し合う試合となりました。ジェリコはウォール・オブ・ジェリコを3回、オートンはRKOを2回出したというだけでも、かなり白熱した内容であったことが分かると思います。この1試合だけでかなりお腹いっぱいになる、というような試合でした。試合を引っ張っていたのは明らかにジェリコで、日本のことをよく知っているだけに、日本を意識した内容にしたのでしょうね。
ストーンコールド劇場
第4試合終了後、ビショフが登場。フィンケルに対し理不尽な態度をとるビショフ。そこに「ガシャーン!」という音と共にストーンコールドが登場。ストーンコールドとしては初来日。ストーンコールドがコーナーに上って両手を突き上げると、そのコーナー側の観客が一斉に両手を挙げる。このテレビでは見慣れた風景が目の前で起こっているという状況に、感動してしまいました。
ビショフとマイクでやりあった後に、当然のようにスタナー! ビショフをリング下に蹴落とすと、ビールの乾杯が始まりました。途中、オートンとマットがそれぞれ乱入してきましたが、いずれもスタナーで蹴散らし、結局50本以上の缶ビールを消費するという大ビール大会となりました。
もちろん、これは試合ではないのですが、ストーンコールドを見られたこと、痛快な場面の連続だったことを考えると、中途半端な試合よりもよっぽど面白いものでした。
休憩
第5試合
○ |
ショーン・マイケルズ ロブ・ヴァン・ダム |
(スウィート・チン・ミュージック) |
クリスチャン テスト |
× |
ベビーフェースのショーン組とヒールのクリスチャン&テスト組というかなり分かりやすいマッチメイクです。試合の中で一番目立っていたのはヴァン・ダムでした。ブランチャをはじめその他派手な定番ムーブを多く披露し、声援を集めていました。ヒール組も自分の役割を理解していたようで、そつのない動きを見せていました。が、肝心のショーンが省エネファイトだったのは残念でした。97年10月のRAW IS WARでヒットマンに「プロレスラーとしてのプライドが感じられない(手抜き試合が多すぎる、の意)」と罵られたことがありましたが、それが如実に現れる形となってしまいました。ま、翌日のHHH戦に備えるという意味もあったのでしょうが。
第6試合・世界タイトル戦
○HHH(ぺディグリー)クリス・ベノワ×
ここまでの全5試合の試合開始直後の攻防では、ファンの声援を煽ったりする動作が必ずあり、ベビーとヒールをハッキリさせる・前の試合の余韻を断ち切る等の役割を果たしていました。
しかしこの試合ではそういう動作はなく、両者のロックアップから試合が始まりました。これはベノワのキャラクターの影響もあるでしょうが、やはり「メインイベントは試合内容だけで勝負」というWWE側の姿勢の表れではないかと思われます。
さてその試合内容ですが、やはり体格差が如実に出るような結果となりました。ベノワが必死に攻めても、体格で勝り、なおかつ王者の風格を持つHHHにはまだまだ余裕があるような感じでした。で、予想通りのぺディグリーで決着。
試合後は、珍しくベノワがマイクアピールを行いました。少しは日本語を話すかと思ったのですが、全部英語で(笑)「かつてのペガサス・キッドがいまやWWEのスーパースタークリス・ベノワだ。今日は失望させてしまったが、レッスルマニアでは必ずタイトルを獲得する」というようなことを言っていました。そう言えばこのツアーの名前は「Road to Wrestle Mania」、それを意識していたようですね。
総括
客席には一部空席もありましたが、観客の盛り上がりはかなりのものでした。これだけのメンバーで、なおかつ中身のある試合が多くありましたので、観客の満足度も高かったのではないかと思われます。
WWEの日本ツアーといえば、3・1横浜アリーナが伝説の域に達していて、それ以外の興行には割りと当たり外れがある、というのが定説ですが、この日の興行のレベルをずっと保っていれば、ファンが離れていくようなことはないと思います。
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