ようやく長距離の空間転移ができるようになった
最初は、ほんの1メートルの距離の移動しかできなかったのに
今では、国内ならどこでも
その気になれば海外でもいける
ふと、外を見ると
小雪がなにかを告げるように舞っていた
そう、季節は冬になっていたのである
クリスマスまで一ヶ月と24日というある日
長官から届けられた
29通の手紙
長官が義務的な声で説明をする
サンタ課の応募に応じて届いた
子供たちからの手紙らしい
平仮名、片仮名、漢字
所々誤字、脱字もある
だけど、非科学的だけど
文字に心がこもっている
文字ひとつひとつに不思議なものを信じる力を感じ取る事ができる
疑わず、不思議を不思議で通せる力を
これから、クリスマスまでの日々は
この、手紙に返信をして
より、手紙を感じる
性格には文字の思念を感じることになった

思念
これによって空間転移が可能なのである
自分が知っている場所ならば
その場所を強く思い描き
ビー玉を信じる事によって
転移が可能であるが
まったく知らない場所などの場合
思念や思考を頼りに転移する

一つ一つの手紙を読み
一つ一つに返信する
だけど・・・多くの手紙には
思念が感じられなかった
たぶん、親に無理やり書かされたり
遊び半分でかかれたものだったのだろう
長官に手紙を渡された時
一番上にあったものとその他5枚
合計6枚の手紙から思念を感じる事ができた
そして、プレゼントを用意し
クリスマスの日を待つ・・・・・

当日、午後10時ごろから転移開始
子供は、寝るのが早い
10時なんて彼らにとっては深夜なのである
サンタの正体をみるために頑張って起きている
という子がいるかもしれないが
別に観られたってかまわない
なぜなら、今からプレゼントを届ける子達は
みんな、サンタを信じているのだから
順調に転移し
最後の子にプレゼントを届ける
これで、終わり
来年までサンタ課はなにをするんだろう?
自分はどうなるのか?
など、考えながら
大人の感覚での深夜が半ば過ぎた頃に
眠りについた

翌日
ある、スポーツ新聞の記事が世間をにぎわす
その日のその新聞の売り上げは
通常の7倍に達したらしい