片手ですべてを覆い隠せる大きさの袋の中に
1つのビー玉が
色は、絵に描いたイルカの色
明るく優しい光を帯びている
長官の説明によると
サンタクロースには必須のアイテムらしい
今日から2週間で基本的な使い方を覚えろ
これが、最初の研修の課題だった
使い方?
その問いには
袋の中にあった説明書が答えてくれた
全文を紹介すると長いので
要約すると

この国のサンタは1人
しかし、クリスマスにプレゼントを待つ子供は多数
なので、とても一日でプレゼントを配り終える事ができない
そこで、このビー玉をもちいる
このビー玉を使うと空間転移ができる
疑ってはいけない
空間転移可能なのだと信じきらないといけない
偽りの眼には奇跡は、映らない
とにかく信じよ

誰が信じる?
いくら、現代科学が凄いからって
空間転移って・・・・
しかし、長官はマジメな顔で空間転移の説明を始める
ぜんぜん理解できなかったが
嘘をついているようには思えなかった
一通り説明を終えた後
なにか、満足げな表情で長官は去っていった
まぁ、仕事だし
ただ、信じるだけで良いならいくらでも信じるさ
っと最初は容易にできるものと考えていたが
空間転移ができる
それも、ビー玉の力で
本気でそぉ考えれば考えるほど
そう考えている自分がばかばかしく思え
そのことが本気で信じる事の障害となっていた
いつの頃からだろうか?
不思議
っという言葉で解決できるものを
真実
っという言葉で解決するようになったのは
いつの頃からか不思議なものに対して
不思議である事に対しての好奇心より
不思議なものを解明することへの好奇心が強くなっていた
小さい頃は、なんにもわからなくて
ただただ、不思議に思った事も
歳がたつにつれだんだん解明されていく
いつの間にか
手品を楽しむのではなく
手品のタネ明かしを楽しむようになってきていた
サンタクロースだってそうだった
小さい頃は、不思議だった
朝起きたらおっきな靴下の中に
自分の望んだプレゼントがはいっていたこと
純粋に信じていた存在
真剣にお礼の手紙を書いていた
現在(いま)は、どれだけの子が
その存在を信じているのだろうか?
どれだけの子が不思議を不思議なままに受け入れているのだろうか?
信じる事をバカな事だとは思わないでいられた
あの頃の気持ちを想いだせれば