平和という名の世が訪れ
これまで相手を倒す事のみにそそがれていた英知が
平和を維持すために使われだした
多くの発明が世に送り出されたが
その中でも世紀の発明といわれるのが
地面を変える絵の具だった
これにより、青、蒼、白と大地の色の違いによって生まれた
肌の色の違いが解消され
元もとの争いの原因であった肌の色の違いを無くせるのである
青、蒼、白の3カ国の話し合いにより
この平和を作るきっかけとなった白国に敬意を表し
地面を白に統一する事になった
13月35日
忘れられる事なきこの日に
その絵の具は使われた
半日の時を経て地面は白に変わり
2年後にはすべての人たちの肌が白へと変わった
肌の色の違いが無くなり民族的優劣を競う事が無くなった
誰もが、永久に争いがない平和の到来を確信していた
しかし時は経ち
争いの無い世の中を空気のよう当然に感じるようになってきた頃
社会全体が停滞し始めた
すべての国民が理由無き無気力感を感じ
社会を動かす機関がうまくいかなくなり
深刻な食糧不足まで発生しだした
人は、自分の生命が危機に陥った時
なんとかそれを回避するよう動くもの
食料が足りなくなったらそれが在るところから奪い
それをめぐり生死をかけた争いが起こるはず
なのだが
完全に平和という水を飲みなれてしまった人たちは
争うことなく
ただ、そのままなにもせずに朽ち果てていくだけだった
自分の生命が脅かされても相手の生命を脅かす事をよしとせず
もがくことなく、あがくことなく
生に対する執着が完全に欠落していた
人口は激減し
社会体制を維持するのにぎりぎりの人数まで陥っていた
社会をつくっているごく少数の人たちは
連日対策を講じていたが
よき考えがみいだせず
無為にその日々を過ごしていた
あるとき
1人の歴史学者が気付いた
なぜ、昔地面の色が違ったのか
元々は同じ色だったのになぜ人為的に色を変えたのか
そう
人は争いを忘れてはいけない生物なのだ
争うことにより生きる意志を持ち
生きようともがき、あがき
それが結果的に社会をつくりだしていたのだ
だから、肌の色の違いというくだらない理由でもって
争いを扇動したのだ
そして彼は提案した
再び地面の色を変え
肌の違いによる争いを起こさせ
人々の本能に眠る闘争本能を呼び起こし
この絶望的社会を救おうと・・・・・・