5年前・・・・・・・・
争いを好まない人によってつくられた
白の国
青と蒼の国の国境にあったため
どちらの国も手出しできない状態であった
暴力をもって優劣を競う事ほど愚かな事は無い
白の国の建国者
グラット・デ・デュールの言葉である
この台詞は
青、蒼の国民の心の一番深い部分に根強く残っている葛藤を刺激していた
自分達こそ優秀な民族だと信じる両国民にとって
それを正論によって否定する
白の国は許せなかった
時を追うごとにその感情は膨れ上がり
とうとう秘密裏に
青、蒼の両国が不本意ながら手を結んだのである
そして
13月35日
静寂という音無きBGMが良く似合う
飾り気のない夜
青、蒼両国の軍隊が白の国を襲った
白の国は完全武装放棄しており
抵抗するすべなく
多くの国民が犠牲となった
先に述べたよう
やや固い棒が唯一の武器なのだが
この棒で何度も殴られると
人の原型を留めるのに不可能なダメージを与える事は可能なのである
青と蒼の民族的優劣を競う戦争ではなく
両国を正論によって否定する国に対しての制裁である
精神的ブレーキを踏むことがなかったことも
犠牲者を増幅させた要因となった
さらに、両国間の戦争では使用が禁じられている
燃えて熱いものも使用され
その夜白の国は暮れることなく人のつくりし明かりに照らされ続けた
翌日、青、蒼の両国は白の国に軍事的制裁を加えた事を
大々的に国民に発表した
街は喜びの声に満ちこの日だけは両国の国民が相手国を誉めあった
正論を力によってねじ潰した
どこからともなく聞こえてくるこの台詞を消し去るには
ただ、騒ぎ立てるしかなかったのだろう・・・・・
人口が激減したものの
壊滅したわけではない白の国は
今後、青、蒼の両国の攻撃をどうかわすかの検討が行われていた
平和路線が理想の国民だが
理想と現実は違う事も承知させられた
暴力の前では正論なんてまったく役に立たない
彼らはそう考え
不本意ながら暴力に対するには暴力を持ってなすと結論をだし
農業など平和的に活用してきた
固い棒を武器にする事にした
この固い棒は白の国でしか原料が産出されない
やや固い棒は、5回たたけばほぼ人を人でなくせるが
固い棒はたった2回でそれを可能にする
人口の少ない白の国にとってまさに最終兵器なのである
その最終兵器を武器に白の国は軍隊を組織し
幾度か青、蒼連合軍を迎撃した
あくまでも自衛のための軍隊であり
白の国は青、蒼の国に侵攻することは無かった
そのかわり勝つたびに絶えず呼びかけた
この、意味のない戦争の終結を
この呼びかけが違った形で効果を表す
潜在的に反戦の意思を持っていたが
力による抑圧を恐れ前面に出せなかった者達が
こぞって白の国に亡命し始めたのである
固い棒という兵器を手に入れ
安全に反戦を叫べる国は
彼らにとってまさに理想であった
これにより人口比
青25:蒼25:白1の割合が変化し
15:15:21となった
人数的優位を頼みに白の国を抑え込もうとしていた
青、蒼の両国はその計画を断念し
白の国との和平を結ぶにいたった
そして、白の国を通らなければ青は蒼に
蒼は青に攻め込む事ができないため
必然的に両国の戦争もなくなり
3つの国に初めて平和といわれる時代が訪れるのであった
その後