<2001年8月・・・この夏の出来事・・・>

毎年、夏になると車に乗って遠出をする。
僕は、車に乗るのはべつだん嫌いではない。
むしろ、普段いけないところにいけるわけだし,ワクワクする。
もっとも、車に乗る前日から絶食をさせられる・・・
というのは、車に乗りなれた僕とはいえ、
車酔いをしてしまうのだ。
車酔いをして、げーげーしてしまうのは
イマイチいけてないので、絶食もいたしかたないのだが、
腹が減ってはさすがの僕もパワーが出ない。
現地についたら、いつもよりも少し多めにご飯を食べれるので、
それをひそかに楽しみにしてたりもする。
それはさておき。。。
まぁー夏はだいたい広島か信州なのだが,
今年もお父さんの趣味の登山に付き合うために
長野県へやってきた。
どうも、いくちゃんが8月始めに信州に来てたらしい。
それがうらやましかったのか?!
今回は僕も一緒に山の上まで上がるらしい。
3000Mまでいけるのか?!
老体に鞭打って・・・ではあるが
それでも、
未知の世界へ探検に出かけるのは
ワクワクするものがある。
はてさて、どうなるかいな?

いよいよ登山のはじまり。
山の中へ入ると、都会とは違って、空気が適度に湿ってて、美味い!
足元も焼けたアスファルトでえらい目に会う都会とは違って
フカフカできもちがいい。
がぜん元気に登っていくのだが、
お母さんがのんびり。。。
大丈夫かいな?
最近、あまりの暑さに参ってて、散歩サボってたからなぁ〜
お母さんの運動不足は僕のせいかも。。。
なぁ〜んてことは、思っちゃいないけど,
後ろを振り返りつつ登っていた。
登山のオン・シーズンということもあってか、
たくさんの人が登っていく。

お父さんよりも年上のシニアグループが
調度同じようなペースで登っていたのだが
「ワンちゃんもがんばるね〜」なんて声をかけてくれたりして
ちぃと、僕もうれしくなっちゃった☆
そんなこんなで、ズンズンずんずん山小屋が近くなってきた。
調度、お昼時。
僕も美味しいお水が飲めるかな。
もうすこしのがんばりだ☆

美味しい水を夢見ながら、登っていくと山小屋が見えてきた。
人がたくさんいる。
なんかちょっと,騒々しい感じもするが,,,
まぁ〜いいか。
「ア!犬がきた!犬!犬!」
「???」
この山ではそんなに犬は珍しいのか?
それとも、僕のかっこよさはこんなところにまでとどろいてるのか?!
ちょっと自慢げに意気揚揚と山小屋へ近づいていった。
が、
どうもようすがちがう、、、
なんだ???
そうしたら,山小屋の中から,
シーズンバイト?のような若いお姉ちゃんが血相を変えて出てきた。
「この山は鳥獣保護区になっています!今すぐ犬を下山させてください!」
「???ちょうじゅうほごく???
ということは,僕は保護されるのか?」
「犬による糞尿が自然破壊につながります!即刻下山してください!」
「☆?!*★◇▲?!?」
お父さんもお母さんも、
そのお姉ちゃんの血相を変えたヒステリックな物言いに
唖然と立ち尽くしていた。
僕もキンキンする声ばっかりが耳の奥に響いて,耳が痛かった。
しばらく、呆然としていたが、
周りのハイカーたちの白い目が突き刺さって,
お父さんとお母さんは、かわいそうに、、、
慌ててUターンして,もときた道をスタスタすたすた。。。
僕はなんか悪いことしたか?
確かに、はじめてくるところだし,
マーキングをするためにお〇っこをしてきたけど,
う〇こは、お母さんがちゃんととってくれるし,
もっとも、
昨日から何にも食べてないんだから,
う〇こしようにも,何にも出ないよ。
よっぽど人間のほうが
ゴミはまきちらすし、トイレの始末は悪いし,
環境破壊してるのになぁ〜
そりゃぁ〜僕の存在そのものが
野生動物たちに悪影響なのかもしれないけどさ。。。
都会で人間と暮らすために、
嫌いな注射やらお薬を飲んで,体調管理はバッチリしてるから
僕から病気を移すことはないだろうし,
逆に僕が病気をもらう危険性はあるかもねー。
うぅ〜ん、なんとも納得がいかん!
けど、
とぼとぼしょんぼりしてる
お母さんとお父さんをみると、
僕も意気消沈。。。
せっかくの山登りなのになぁ〜。。。
残念。。。
お父さんとお母さんは
山小屋でゆっくりお昼ご飯を食べようと思ってただろうに,,,
かわいそうに、、、、
とぼとぼと帰り道を行っても,
すれ違うハイカーたちの視線が痛くて,
立ち止まれないし,
ちょっと腰掛けれるような場所もない。
ひたすら下山下山。

そんなこんなで、えらい目に会ったが,
ちょっと道を外れたところで、
お父さんとお母さんは遅めのお昼を食べた。
お父さんは、まだまだ未練があるようで上りたそう。
久しぶりに山に来るもんね。
そんなお父さんを見て,お母さんは
「大ちゃんは私が一緒にいるから、登っておいで。」
うぅ〜ん、なんという夫婦愛!
うつくしいね〜すまないね〜
というわけで、
お父さんは一人で山へ,
お母さんは僕と下山したとさ。
ちなみに、下山の途中で,
小さな犬を連れている人がいた。
お母さんはその人に
「この山は,犬ダメなんですって。」
「しっかり抱っこして,山小屋には立ち寄らない方がいいですよ」
だって。
だめじゃん。決まりを教えてあげなきゃ。
・・・って、いいながら、僕もお母さんとおんなじこといってるだろうな。
だって、
あんなにヒステリックに言われたら,誰だって,カチンとくるよね。
まぁ、
その後,あのワン公は無事に上がれたかどうかわかんないんだけど。。。
で、
お父さんのはなし>>>
あの後,頂上まで無事にたどり着いたら,
例のシニアグループさんがいたそうな。
「ワンちゃんは?」ときかれて、
「鳥獣保護区なんですね。うっかりしてて、山小屋のお姉さんに注意されちゃいました。」
「妻と下山しました。」っていったら、
そのシニアグループの一人が
「山では犬はご法度ですよ。これ常識です。」だって。
んなこと,知らんやん!
じゃぁ〜登ってる最初から注意してくれりゃーいいのに!
と、
お父さんは,またもや,ガックリとしてしまったのでした。
>>>次の日>>>

入笠山山頂にて:2001/8
意気消沈の昨日だったけど,気を取り直して別の山へ向かったのでした。
次の山は,あまり有名な山ではなく、
鳥獣保護指定もないようで僕もなんにも気兼ねすることなく上ることができた。
もちろん,
「ワンちゃんもがんばってるねー」と
周りのハイカーの注目の的ではあったけど。。。
頂上にもたつことができた。
2000メートルくらいかなぁ〜
下界の暑さを忘れるくらい,結構涼しかった。
少しガスってて、周りの景色は楽しめなかったけど,
ちゃんと記念撮影はしたよ。
お父さんとお母さんの話によると、
しゅうちゃんが赤ちゃんのころに上ったことがあるらしい。
で、お父さんがしゅうちゃんを担いでのぼって、
僕が座ってるところにしゅうちゃんが座って,
やっぱり記念撮影をしたんだって。
今回はしゅうちゃんいないし,僕が変わりに。。。
なんだかちょっと照れくさいけど,
次男坊の僕としては、これも僕のお役目かと。。。
なぁ〜んてね。
なにはともあれ、
今日は無事に登れたし,何よりも,この涼しさには元気百倍だ!
これから下界のあの暑さの中に下りるかと思うと,
ちょっと残念。。。
というわけで、
いろいろお父さんとお母さんには迷惑かけたけど,
ちょいといい経験もさせてもらえたし,
今年の夏は一味?!違った夏でしたなぁ〜
めでたしめでたし☆