小 品 集「 お 父 さ ん の 手 」
1988年〜1993年 | 米田 実 詩・曲 |
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1.お 父 さ ん の 手
お父さんの手 お父さんの手 お日さまみたいに お父さんの手 お父さんの手 いつもポッカポカ 今日も遊んだ砂場の上に お部屋の明かりがのびるころ お父さんの足音が 迎えにくるの わたしの待っている やさしい声がする お父さんの手 お父さんの手 わたしを見つけて お父さんの手 お父さんの手 わたしを抱きしめる 今日のお話聞かせてあげる どろんこ おだんご 水遊び お父さんにあしたは 作ってあげる 真っ赤なお花のエプロンつけて お父さんて? お父さんて? お日さまみたいに お父さんて? お父さんて? いつもポッカポカ 風がつめたい自転車の道 遠くに残った夕焼けに お父さんの背中が 大きく見える わたしをあたたかく つつんでくれる お父さんて! お父さんて! いつもあったかい |
2.ぶ ら ん こ
ゆらゆら 飛んでけ ゆらゆら 飛んでけ わたしの だいすきな ぶらんこ 風に吹かれて 舞い上がる 垣根を越えて 屋根越えて ゆらゆら遠くへ 知らない世界へ わたしを さそうの ぶらんこ ゆらゆら 空まで ゆらゆら 飛んでけ わたしの だいすきな ぶらんこ 雲のお布団 夢の中 わたしを 待ってる 王子様 白馬にゆられて すてきなお城へ わたしを 連れてく ぶらんこ ゆらゆら 楽しい お話聞かせて わたしの だいすきな ぶらんこ きのう子猫と おにごっこ おどる 蝶々と 背いくらべ 時間を忘れて みんなで遊んだ わたしの 友達 ぶらんこ ゆらゆら 飛んでけ ゆらゆら 飛んでけ わたしの だいすきな ぶらんこ |
3.は と
公園に鳩が 一羽飛んできた アコちゃんの足もとに向かって歩いた 鳩を知らないから 少しこわいかな? クックー クックー 公園に鳩が 遊ぶ 公園に鳩が 群れて飛んできた アコちゃんの頭をかすめるように 鳩におどろいて 急に泣き出した クックー クックー 公園の鳩が 笑う 公園の鳩は みんな友達さ アコちゃんのお菓子を分けてあげたら 鳩は喜んで たくさん集まった クックー クックー 公園に鳩が クックー クックー 公園に鳩が 飛ぶ |
4.自 転 車 に の っ た ら
自転車に乗ったら どこでも行ける 春の風を追いかけ まぶしい光に向かって 心も軽く ペダルを踏めば ホラ 見えてくる あの角を曲がれば 銀色に輝く 海が見えてくる 自転車に乗ったら 遠くへ行ける タンポポの綿毛追いかけ 川の流れに向かって 力をこめて ペダルを踏めば ホラ 見えてくる むこうに山が 私の知らない 町も見えてくる 自転車に乗ったら 明日が見える 夕焼け雲を追いかけ 沈む夕日に向かって 道路に長く 影を伸ばせば ホラ 見えるでしょう ちっちゃな私でも 急にこんなに 大きく見えるでしょう |
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5.お 父 さ ん の お な か
父さんのおなかパンパパン 父さんのおなかパンパパン たたいてごらんよ ふしぎな音がする 朝は寝床でパンパパン 夜はお風呂でパンパパン 明日の天気 晴れかな? 雨かな? 教えてくれる音がする 父さんのおなかサッササー 父さんのおなかサッササー さわってごらんよ こんなに大きいよ やわらかベッドはボヨヨンヨン 動くおなかでひと休み 明日もきっと 遊んで お願い 聞いてくれる気がする 父さんのおなかポンポポン 父さんのおなかポンポポン たたいてごらんよ 月夜は楽しいね タヌキのまねしてポンポポン 今日も元気だポンポポン わたしもいっしょに踊りたくなる 大好きなお父さん |
6.ち っ ちゃ な 目
ちっちゃな目が笑ってる 何かいいことあるのかな ちっちゃな目に映ってる 夢のかけらがとびだした これがご飯で そっちはハンバーグ ポテトにサラダもたくさんあるから 大きくなったら本当のおいしいお料理作ってあげる だって お父さんの お嫁さんになるんだもん ちっちゃな目のすぐそばに 黒いかわいい泣きぼくろ ちっちゃな目にあふれてる 涙のしずくの通るみち ひざをかかえて うつむいて ひとりぼっちじゃつまんない おもちゃなんかいらないの 私といっしょに遊んでほしい だって お姉ちゃんと けんかしたんだもん ちっちゃな目がほほえんだ もうひとりじゃないんだね 大きな目もほほえんだ みんないっしょにでかけよう 山へ行こうか それとも遊園地 お菓子をいっぱいリュックにつめて お昼になったらお弁当 芝生にひろげてみんなで食べよう きっと お母さんが 作ってくれるから |
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