お願い事は一つだけじゃ無いと駄目だよね。
だったらやっぱり『カズの夢が叶いますように』だよね
でもね、本当はね・・・
ベランダの窓を開けて、雨模様の空を見上げる。今日はもう無理そうだわ・・・。
カズは私の膝の上でまだ目を閉じてうつらうつらしてる。
2時間前、帰って来たカズに浴衣を着せようと大苦戦。
だってね、シャワーから出てきたカズを座らせて、前髪はオールバックに長く伸びた髪の後ろをアップにしてたら・・・
えーっ、駄目駄目。だって、私より女の子になっちゃうんだもん、許せないし。
なので、後ろだけまとめて留めてあげた。うんうん、許せる範囲で可愛い・・・。
次は浴衣ね。はい、って羽織らせて前を合わせてたら、むぎゅーって抱きついてくるし、
帯を締めてたら、わざと逆廻りして、あれ〜なんてふざけて解いちゃうし・・・もう、私汗だくだって。
それでも、可愛く仕上がったカズを眺めて私は満足です。
ウチワをパタパタさせながら、テレビを見ているカズをそのままにして
大急ぎで自分も着替えて窓の前に置いた座布団に腰を下ろした。
そしたら、カズはいそいそと寄ってきて、当然と言わんばかりに膝枕をして寝そべってきた。
カズ〜、その上目遣いは劇的に反則だから退場〜なんて言いながらふざけている内に
やがて静かになったカズを見ると、長い睫毛を伏せて眠ってしまっていた。
力の抜けたカズの手からウチワを取り上げて、そよそよと涼風を送る。
ふんわりと舞い上がる前髪の下の額。ちょっと震えた睫毛・・・全てが愛しい。
カズはどんな事を夢を見ていますか、どんな願いを胸に秘めていますか。
どんな夢でもカズの見る夢なら叶えて上げたいと思う。自分の何を捨てても惜しく無いと思う。
でも、やっぱり側に居てカズの夢を一緒に見ていたいのも真実・・・カズの未来に私の居場所はありますか?
七夕の願いは一つ。カズの夢が叶いますように・・・
やがて目覚めたカズは空を見上げてガックリと肩を落として残念そうに言う。
オレ、お願い事があったのにな・・・「何時までもオマエがオレの側にいますように」
カズは彦星、私は織姫。
二人を繋ぐ天の河は絶えることの無い愛しい思い。溢れる涙は銀河の星屑。
幸せは直ぐ側にあるこの温もり。
七夕の夜は互いの願いが叶うと信じて、二人で星巡り・・・。
某誌のオールバック亀ちゃま浴衣姿の
あまりの美人さんっぷりに腰砕けになりました。
なので、つい自分でカズに浴衣を着せてしまいました。
妄想はもっと続くのですが・・・書けるわけもなし(笑)
七夕に願いを込めて…亀ちゃまの夢が叶いますように。
’05.7.8