ナイチンゲール(夜啼き鳥) ナイチンゲールが一晩中啼き続けた夜明けには、一輪の薔薇の蕾が開く そして、ナイチンゲールは真っ赤な血を散らして、命絶えるという・・・ 遠いペルシャの哀しい物語 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ カズが身じろいだ気配にふと目が覚めた。 カーテンの隙間から見えるまだ明けきってない薄紫の空に、白い月がかかっている。 抱きしめられて眠る夜はあっという間に終わってしまって、この思いの全てを伝えられたのか不安になってくる。 乱れた前髪に隠れた額が見たくて、そっと髪の毛を梳いてみる。 どんなに大切にしてもまだし足りない。こんなに近くにいても、もっと近づきたい。 愛しさと切なさは背中あわせ。 カズ、彼方の蕾はもう開きそうですか? 彼方のためなら、たとえこの命が絶えるとしても、啼き続けましょう。 夜啼き鳥は夢一夜。 彼方の華が咲くまで何度でも生まれ変わって、夕闇にまぎれて飛んでくる。 私は彼方のナイチンゲール。彼方は私の一輪の薔薇。 零した涙の数も、伝えきれない思いもカズは知らないと思っていたのに いつの間にか目覚めたカズの濡れた瞳に見つめられて、全てを知られた恥ずかしさに身を捩る。 何度生まれ変わって姿を変えてもきっと見つけて見せるさ・・・ 囁かれた言葉に身を焦がし、また一夜の夢を見る。 私は彼方のナイチンゲール。彼方の薔薇を咲かせたい。
ポポロの薔薇の話に触発され、誘われ写真に妄想が暴走(汗) |
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