ナイチンゲール(夜啼き鳥)

ナイチンゲールが一晩中啼き続けた夜明けには、一輪の薔薇の蕾が開く

そして、ナイチンゲールは真っ赤な血を散らして、命絶えるという・・・

遠いペルシャの哀しい物語

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カズが身じろいだ気配にふと目が覚めた。

カーテンの隙間から見えるまだ明けきってない薄紫の空に、白い月がかかっている。

抱きしめられて眠る夜はあっという間に終わってしまって、この思いの全てを伝えられたのか不安になってくる。

乱れた前髪に隠れた額が見たくて、そっと髪の毛を梳いてみる。

どんなに大切にしてもまだし足りない。こんなに近くにいても、もっと近づきたい。

愛しさと切なさは背中あわせ。

カズ、彼方の蕾はもう開きそうですか?

彼方のためなら、たとえこの命が絶えるとしても、啼き続けましょう。

夜啼き鳥は夢一夜。

彼方の華が咲くまで何度でも生まれ変わって、夕闇にまぎれて飛んでくる。

私は彼方のナイチンゲール。彼方は私の一輪の薔薇。

零した涙の数も、伝えきれない思いもカズは知らないと思っていたのに

いつの間にか目覚めたカズの濡れた瞳に見つめられて、全てを知られた恥ずかしさに身を捩る。

何度生まれ変わって姿を変えてもきっと見つけて見せるさ・・・

囁かれた言葉に身を焦がし、また一夜の夢を見る。

私は彼方のナイチンゲール。彼方の薔薇を咲かせたい。

ポポロの薔薇の話に触発され、誘われ写真に妄想が暴走(汗)
しかしどうあがいても、不安そうなママ子になってしまうのは何故?
非現実の中でもどーしても現実がちらつくからかしら(苦笑)
’05.6.2