知ってる?カズは年上のお姉さんと付き合ってるんだぜ。さも有りなんだよな。あいつはきっと甘え上手だよ。
でも、俺はやっぱり年下の可愛い彼女がいいな。俺についてこい!に憧れるんだよ、やっぱ男なんだから、と思っていたはずなのに・・・
バイトが終わる時間を見計らったように、お袋からメールが入る。「帰りに〇〇屋に寄って軍鶏鍋セット買ってきて。お願い(ハート)」
えー!スーパーなんか寄るのイヤだな。でも、お袋がメールしてくるぐらいだからきっと必要なんだろうな・・・
だけど、このハートは要らないよな、お袋なんかにハート貰ったってちっとも嬉しくなんか無いんだって。
仕方がないので〇〇屋に行ったんだけど、売り場もわからなくて、第一この字は何て読むんだ!お袋に聞こうとしたけど留守だし、メールも返ってこないし・・・。
恥を忍んで近くに居た店員さんらしき人に携帯画面を見せながら聞いた。これ、何処にあります?って。
そしたらそのお姉さんはクスッと笑って「軍鶏(しゃも)鍋セットね。ここのは美味しくて有名なのよ。私、お店の人じゃないけど、わかるわよ」そういって、先を歩き出した。
あーそういえば、エプロンもしてないし、ヒールの靴なんか履いてるし。しまったと思ったけれど、お姉さんはドンドン歩いていってしまうのでついていった。
教えてもらってお礼を言って、間違えたお詫びも言ってそそくさとそこを出た。
帰ってお袋に渡すと「ありがとう、これちゃんと読めたの?」だって。
だから言ってやった「しゃも鍋だろ。それぐらい分かるって」本当はあのお姉さんに教えてもらったんだけどね。
あのお姉さん綺麗なお姉さんだったよな・・・でも、それっきり忘れてた。
バイトが終ってロッカールームから出たところで、誰にかにぶつかった。
セルフでコーヒーカップを返しに行くその人は俯き加減で何かに気を取られてたらしい。
ぶつかった途端に足を捻ったらしく、ちょっと顔をしかめながら慌ててお互いが「ごめんなさい!」って綺麗にハモってしまった。
顔を見合わせた途端またまたお互いが「あーあの時の・・・」
お姉さんはちょっと足を引きずりながら、大きな荷物を持っていた行こうとしたので
俺は思わず「この前はありがとうございました。店員さんと間違えちゃって・・・ごめんなさい。お詫びにその荷物僕に持たせてください」
お姉さんは「あれ、新手のナンパかと思ったわ。でも、ちゃんと買って帰ったみたいね」と笑った。
「お袋に頼まれちゃって・・・」と照れ笑いの俺に、じゃぁ足も痛いし、お願いしちゃおうかなって肩をすくめてニッコリ微笑んだ。
あの時はすっげー美人だって思ったけど、そんな仕草がすっごく可愛かった。
あ・・・俺、なんか来てるかも知んない、ハートがじんじんするもん。
ちょっと胸を押さえて自分の世界に入りかけた俺をまた不思議そうにお姉さんは眺めていた。
俺たちはまだ始まったばかり・・・でも、俺はこう言う時のカンだけは鋭いんだよ、うん。
仁ちゃんには美人のお姉さんが似合います。
身も心もね。実際私の知るファンの方もお綺麗だし。
でも、私的にはやっぱりカズちゃんのようにはかけないのだ・・・。
愛がたりませんよねー、でも始まったばかりの恋ですから
ご自分で育ててみてくださいまし。
2004.4.20