さっきから何だか分からないんだけど怒ってるみたいなんだよね。私、何かしましたか?

そしたらまるきり子どもみたいに拗ねちゃって、「さっきあの人と何話してたんだ!」だって。

え〜って思わずのけぞっちゃったよ。ちょっとバイトを替わってもらおうと思ってバイト仲間の男の子に相談してただけだよ。

だって、カズの誕生日にバイトなんて嫌でしょ?それだけなのに、何が他にあるってんの?あっ!なんか疑ってるわけ?

「あ〜あ、なんかうんざりだっつうの・・・」思わず声に出して言ってた。

そしたら、ピクリと眉を上げて一気に「ふ〜ん、そういうこと言うんだ。なら良いよ、うんざりさせて悪かったな」

そう言うと、さっと踵を返して走って行っちゃった。

あらら、引き止める暇もありゃしない。こう言うときに運動神経良すぎるのも考え物だよね。

そんなに私のこと信じられないんだったら、こっちこそもう良いよ!

そんなわけでカズの誕生日まで後一週間と言う日に喧嘩別れのようになってしまった。

それから何にも連絡無くて、お互いが意地になってた。

家に帰って、ソファーの上に置きっぱなしになったカズへのプレゼントを手にとってため息が出た。

カズは私のことどう思ってくれてたんだろうなぁ。私の方がちょっぴりお姉さんだし、でもそれを意識した事無かったのに、こんな事になっちゃうと凄く気になる。

カズにはやっぱ可愛くて何時もカズのこと頼りにしてるような年下の子がお似合いなのかもなぁ・・・あ〜あ。

でも、カズは言ってくれたよね。「オレは年下だけど、絶対お前の事、護って見せるから」って。それ、信じてて良いんだよね?こんな事になっちゃてるけどね?

もう後少しで誕生日だって言うのに・・・眠れるわけも無くて、窓に背を向けてプレゼントのファーのマフラーを手に、

カズって結構きつい顔してんだけど、なんかこんなフワフワした優しい物が似合うんだよね・・・。

そんな事思ってたら、コツンって窓ガラスに何かが当たった。ん?て外を覗くと、カズが薄暗い街燈の下からこっちを見上げてた。

慌てて外に飛び出す私。いったい何時からそこにいたの?男の子とは思えないくらいの白い顔を更に蒼白くさせてカズは立ってた。

急いで抱きしめようと思ったけど、何だか気まずくて立ち止まってしまう。後一歩というところでじっと見詰め合う二人。時間が止まってしまったよう・・・。

どれくらいそうしてたんだろう、突然ピ、ピ、ピ、ピーってカズの腕時計が日付が変わった事を知らせる。

その途端、魔法も意地も解けてしまったみたいで、カズを思いっきりギュッと抱きしめていた。

「ごめんね、お前の事疑ってたわけじゃないんだよ、でも仲良さげにしてたから、なんだか嫉妬しちゃった・・・。オレお前の事護るって約束しただろ、

だから、何時も我慢して頑張ってたんだ。甘えちゃいけないし、子どもみたいなこと言っちゃいけないんだって。

なのにあの日お前が年上の男の人と笑いあってるの見たら・・・たまんなくなっちゃたんだよ。」

ああ、こっちこそごめんね。そんな思いしてるなんてちっとも気付かなくて。護ってくれるって言葉によっかかってた。

良いんだよ私。自分がお姉さんだって事ちっとも苦にならないし、第一カズの気持ちに気付かなくてよっぽど子供だったね。

「カズちゃん、お誕生日おめでとう・・・」握り締めてたマフラーをふんわりと首に巻いてあげた。

ニッコリ笑ったカズは「ありがとう。オレ、18になりました。お前の事責任取れる年になりました。だから・・・」

そういって、優しくキスをしてくれた。初めてのキス。いつの間にか空から白い妖精が舞い降りてきてた。

後日談。

ねぇ、カズったら何時からそんなキャラになっちゃったわけ?

確かに私が年上だって認めるけど、甘えすぎだっつうの!

でもねぇ、ちょっと可愛いんだよ。へへ、結局甘やかしてるの私かな。

もう、良い、良い、なんだって良いわよ。

でもね、責任取れるって言ったの忘れないでよ〜笑

亀ちゃま18歳お誕生日を記念して、しょうもないプチ小説で暴走してみました。
お前のところには自分の名前入れて妄想してください。
えっ?!こんなアホじゃないってか・・・失礼しましたぁ。