〜ララバイ〜

エリスを取り戻すために、別の宇宙を侵略しようとした俺を阻んだのは…天使だった。
俺の名前はレヴィアス。
皇帝として生まれてきた俺の力を恐れた連中に俺は一度殺されかけた。
そして、時期を待ち、皇帝として君臨するために兵をあげたのだ。

今、俺はその野望を達成することなく逝こうとしている…。
これは俺の欲が招いた結末なのか?
フッ、神もおろかなことは許してくれないようだ。
俺へのとどめをさすのはあのハリセンのようだな。
…これも運命というものなのだろうな。
皮肉なものだ。


「ここはどこだ?」
俺がついたのは天界かそれとも地獄か…。
一面不思議な空間にたどり着いたようだ。
桜の花が咲き乱れ、春の陽気に包まれているようだ。
向こうから人が歩いてくるようだな。
あれが俺の地獄への案内人なのか……。


「何か気が乱れている…。お前は何者だ?」
なんだ、この男は?
無表情な顔、長めの髪を右に束ねている。
顔の左側が白いのは一体どういう意味があるのか?
「京に仇なす鬼ではないようだな。」
男はさらに言葉を続けた。

キョウとは一体どういうことなのか?
ここはあの世ではないのか?

「私の名前は安倍泰明。陰陽師だ。
お前はどうも異世界から魂だけがさまよってきたようだな。
この世に未練でもあるのか?」

どうやら俺は異世界の「キョウ」というところに魂だけ来てしまっているらしい。
アンジェリークのいた宇宙でも俺の生まれ故郷でもない。
だが、俺はどうしてこのようなところにいるのか?
この世に未練…、俺はエリスを取り戻せなかったということだけだ。
エリスよりもアンジェリークを大切に思ってしまったことが未練なのか?

「お前がどうしてここに来たのかは私にはわからない。
私はお師匠に言われて、お前の魂をあるべきところに送りに来ただけだ。」
こいつは、魔術師なのか??
それより俺のあるべきところとは一体…。

「急急如律令…呪符退魔!」
男が怪しげな言葉を呟き始めた。

俺の体が光に包まれているようだ…。
……アンジェリークが呼んでいる。
「アリオス、戻ってきて!」
これがあいつの女王としての力か?
そして、この男の力…、今まで感じたことのない力だ。
魔導ではなく、かといって冷たい感じのしないこの力…。

「お前を呼び、取り戻す者の所へ戻るのだ!」
俺の体は光に包まれた……。
アンジェリークが呼んでいる。あいつの所に行かなければいけない。


そして、俺は眠りについた。
再び転生の機会を待っている。
目を覚ましたら俺はあいつのことを忘れているだろう。
エリスのことも。
そして、アンジェリークのことも…。

-Fin-


天空の鎮魂歌のラストでアンジェと戦ったレヴィアス(アリオス)。
彼はどういう思いを持って戦ったのかずっと考えていて、この話をふと書いてみました。
お誕生日記念とか言いながら、全然甘い話になりませんでしたね。
転生ネタを書いていて、気が付けば泰明さんが出てきてしまいました。
まあ、パラレルということで大目に見てやってくださいませ。